J-ABレジストリデータを用いた研究課題の募集について
日本不整脈心電学会(以下、「JHRS」)会員および関係者の皆様におかれましては、J-ABレジストリの運営に多大なるご尽力をいただき、御礼申し上げます。
J-ABレジストリのデータを用いた研究課題を学会員の皆様より募集します。研究計画を記した所定の申請書(J-ABレジストリ研究課題募集要項)を作成してJHRS事務局あてに送ってください。選考委員により実現可能で有用な研究課題と判断されたものを複数選び、中央解析を行います。採択された研究課題の応募者には、解析結果をもとに学術的な発信(学会発表および論文の執筆)を行っていただきます。
本プロジェクトの目的は、ビッグデータを解析してカテーテルアブレーション治療の実態を解明し、同治療の安全性かつ有用性をさらに確立すること、同治療の適正化に役立てることです。奮ってご応募ください。
1.応募から論文投稿までの流れ
①J-ABレジストリ研究課題募集要項に沿った研究課題を応募します。
②選考委員は書面による審査を行い、5題程度の研究課題に順位をつけて採用します。
③審査結果はJHRSのホームページおよびJ-AB通信で発表します。
④採用された研究課題の応募者は研究計画書および統計解析計画書を作成します1)。
⑤統計解析計画書をもとに、国立循環器病研究センターOIC情報利用促進部の解析チームが中央解析を行います2),3)。
⑥応募者に解析結果データを受け渡します(データは生データではなく、解析結果データになります)。
⑦応募者は解析結果の受領後3ケ月を目安に論文のDraftを作成します1)。
⑧応募者は論文を作成し1)、投稿します(解析結果の受領後半年以内の投稿、1年以内のPublishが目標)4),5),6)。
1)滞りなく作成できるように、また多くの施設の若手から応募が可能となるように、カテーテルアブレーションの論文執筆経験が豊かな指導担当者がサポートします。
2)国立循環器病研究センターによる中央解析のため、倫理委員会の審査は原則不要です。ただし、内容によっては必要となる場合があります(外部データを用いるなど)。この場合、解析の開始は倫理委員会の承認を得てからになります。
3)中央解析は審査の際に評価の高かった研究課題から順に行います。
4)論文執筆に並行して、学会で発表を行うことも推奨します。
5)投稿する学術雑誌は指導担当者と相談のうえ決定してください。投稿はカテーテルアブレーション委員会の承認後になります(“Journal of Arrhythmia”に限定いたしません)。
6)First Authorは応募者(執筆者)になります。共著者は応募者と同じ施設の協力者(5名程度まで)、解析担当者、指導担当者、当プロジェクトと執筆に貢献したJHRS会員になります。
2.募集内容
研究課題に使用できるデータは、J-ABレジストリに登録されたデータのうち、すでに固定されたものになります。J-ABレジストリの登録項目を確認し、その項目と症例数で解析可能かつ学術的にも価値のある研究課題を応募してください。
- 今回の募集演題のために新たなデータ収集は行いません。使用できるデータはあくまでもすでに固定されたもののみになります。
- J-ABレジストリ以外の外部データを関連させた研究課題も受け付けますが、外部データは応募者が用意してください。
- 以下については、J-AB事務局とJHRSカテーテルアブレーション委員会で論文を作成する予定です。同じ内容にならないようにしてください。
・Annual Report(年次報告)
・AFアブレーションの合併症に関連する因子の解析
・高齢者におけるAFアブレーションの安全性、有効性に関する報告(上記のサブ解析)
・AFアブレーション施行数の地域差に関する論文
3.応募方法
所定の「J-ABレジストリ研究課題募集要項」にもれなく記入し、JHRS事務局(office@jhrs.or.jp)あてにメールで送ってください。メールのタイトルは、「J-AB研究課題募集に関する応募要項提出」としてください。
申請期間〔2022年4月11日(月)~5月16日(月)〕
4.応募資格
J-ABレジストリ参加施設で、かつ適切に登録を行っている施設に所属するJHRS会員になります。
- 原則1施設1申請としますが、前年1~12月のJ-AB登録数が400例以上の施設は2申請まで可能です。
5.審査方法
以下の選考委員による書面審査で採択順位を決定します。
東京慈恵会医科大学 山根禎一
慶応大学医学部 高月誠司
大阪医療センター 井上耕一
国立循環器病研究センター 草野研吾
日本医科大学 岩崎雄樹
国立循環器病研究センター 宮本康二
関西労災病院 増田正晴
群馬県立心臓血管センター 中村紘規
東京慈恵会医科大学 山下省吾
日本大学医学部 永嶋孝一
学術的な重要性(Interest/Novelty)と、当該レジストリの登録項目で解析可能か(Feasibility)で判断します。審査は公平を期すために応募者および応募施設情報を隠して行います。選考委員は自施設からの応募に関する審査には参加しません。
- 審査のために研究課題の軽微な変更をお願いすることがあります。
- 同じ研究課題の応募が複数あった場合は、審査における点数の良い方を採用します。同点の場合は、応募者(若手の場合は所属施設の指導者も含めた)の実績、J-ABレジストリへの施設の登録数も参考にするなど総合的に判断します。
- 採択されなかった研究課題は、次回以降の募集で再度応募可能です。審査は募集ごとに一から行うため、遡って採択することはありません。
6.その他
- 審査費、J-ABレジストリのデータ利用費および統計解析費は無料ですが、執筆に要した費用(書籍代、英文校正代)、Acceptされた場合の雑誌への掲載料は原則応募者負担になります。
- J-ABレジストリのデータとその解析結果は学会員の共有の財産です。データを受領したにもかかわらず、Draftの作成が進まない場合は、採択を取り消してカテーテルアブレーション委員会で論文作成を行う可能性があります。
令和4年4月1日
一般社団法人日本不整脈心電学会
理事長 清水 渉
同アブレーション委員会
委員長 山根禎一