日本不整脈心電学会

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2017年04月

樗木 晶子(九州大学大学院医学研究院 保健学部門)

Q69歳,男性.不整脈発作に対してベプリジルを服用中に近医で胃潰瘍の治療としてピロリ菌除菌のためにクラリスロマイシンが投与された.発作時①、発作停止後の除菌前②と除菌中③の心電図を示す.下記のうちで誤りはどれか.
a. ①の不整脈は心房細動である
b. ②,③とも洞徐脈である
c. ①,②は正常範囲のQTcである
d. ③はQTcの延長とT波のドーム状の変化がみられる
e. 高カリウム血症は,③のような心電図変化を助長する
201704-1
回答と解説はこちらから   

【解答】

e. 高カリウム血症は,③のような心電図変化を助長する

【解説】

主要心電図所見
①心房細動,早期再分極によるST上昇をII, aVF, V2~V6
②洞徐脈,II, V2~V5に幅の広いU波
③洞徐脈,QT延長(QTc=0.60)と陽性T波のドーム状変化,PQ時間(0.24sec)の延長

発作性心房細動や持続性心房細動に対して、その予防や洞調律化にベプリジルはよく使われる.ベプリジルはNa+、K+、Ca2+チャネルを抑制するため,最もよく見られる心電図変化はQT延長、徐拍化、PQ時間の延長などである。本症例では,ベプリジル投与のみでは著明なQT延長は認めずU波が長い程度だが,ピロリ菌除菌のために投与されたクラリスロマイシンはQT延長をきたすことがあり,その双加的作用でQT時間が著明に延長し、PQ時間も僅かであるが長くなっている.幸いTdPはまだ出現していなかった.

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