日本不整脈心電学会

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リードレスペースメーカ合併症発生時の学会報告について

令和5年1月

 学会ホームページでも重ねて注意喚起を行っておりますが、依然として死亡例や心タンポナーデなどの重篤な合併症が継続して発生しております。そのため、合併症発生時に学会事務局へ送付いただく報告書のフォーマットを、患者背景や適応、さらに施設の体制も含めた内容を盛り込めるようにしています。
 重篤な合併症が発生した場合は、速やかに学会へのご連絡をお願いし、これまで以上に注意深い患者フォローをお願い申し上げます。

一般社団法人日本不整脈心電学会
植込み型デバイス委員会委員長 安部治彦
植込み型デバイス委員会合併症対策部会部会長 野田 崇
医療安全委員会委員長 草野研吾
理事長 清水 渉
副理事長 栗田隆志

リードレスペースメーカ合併症発生時の報告フォーム

報告フォーマット(PDF)

報告フォーマット(WORD)

送付および送信先

日本不整脈心電学会事務局
〒102-0073 東京都千代田区九段北4‒2‒28 NF九段2階
E-mail:office@jhrs.or.jp

補足

対象疾患

現行のリードレスペースメーカの適応基準は、ガイドラインにおけるペースメーカ適応ClassⅠおよびⅡで、心室シングルチャンバペースメーカ(VVI型ペーシング)に適した患者です。
具体的には、下記になります。

1)心房細動を合併した、症状のある発作性もしくは持続性の高度房室ブロックの患者、

2)心房細動を合併しない、症状のある発作性もしくは持続性の高度房室ブロックで、右心房へのリード留置が困難、または有効(有用)でないと考えられる患者、

3)症状のある徐脈性心房細動または洞機能不全症候群で、右心房へのリード留置が困難、または有効(有用)でないと考えられる症例

重篤な合併症のリスク因子

心嚢液貯留、心タンポナーデ発生のリスクに関しては、体格 (BMI<25)、高齢者(>75歳)、女性、慢性肺疾患、非心房細動例などがリスクファクターとなります。患者背景におけるリスク因子の重なりが、心嚢液貯留、心タンポナーデ発生に関与していることが判明していますが、特に体格の小さい高齢患者に対する植込み選択においては、慎重にも慎重を期して適応を検討いただきますようお願いいたします。

心臓血管外科との連携

現在、日本不整脈心電学会ではリードレスペースメーカの実施施設に関して、リードレスペースメーカの新規性と大腿静脈経由の心臓アクセスという現行型ペースメーカ移植術との相違点を考慮して、以下の使用要件等基準を学会ステートメントとして公表しています。

【植込み術に求められる施設要件】

  • ペースメーカ移植術およびペースメーカ交換術の施設基準を満たし、交換を含む⼿術を常勤医が年間 10 例以上実施していること
  • 緊急⼼臓⾎管⼿術が⾃施設で可能な体制を有していること
  • ⼼臓⾎管外科専⾨医が常勤していること

ただし、やむを得ず⼼臓⾎管外科が併設されていない施設、あるいは心臓血管外科専門医がいない施設で植込む場合には、本学会に以下の情報を事前申請してください。
※毎年3~4月に必ず確認申請書をメールで本学会事務局まで送付のこと

① 連携医療施設と⼼臓⾎管外科専⾨医の責任者名(依頼施設管理者承諾書および連携施設管理者承諾書を含む)

② 連携医療施設での緊急外科対応ができる曜⽇と時間帯

③ どのような場合に、どのような⼿順で⼼臓⾎管外科へ連絡するか

④ 搬送⽅法と推定搬送時間。搬送先病院の開胸⼿術に必要な⼿術機器、⼿術室、⿇酔科医、臨床⼯学技⼠、看護⼠、⼈⼯⼼肺などの準備体制

【抜去手術に求められる施設要件】

ペースメーカ移植術およびペースメーカ交換術の施設基準を満たし、交換を含む⼿術を常勤医が年間10例以上実施していること
緊急⼼臓⾎管⼿術が⾃施設で可能な体制を有していること
※リードレスペースメーカ抜去術を行うためには、緊急⼼臓⾎管⼿術が⾃施設で可能な体制を有している必要があります。

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