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理事長挨拶

President

 このたび、一般社団法人日本不整脈心電学会の第4代理事長を拝命いたしました。本学会は、日本心電学会(1983年設立)と日本不整脈学会(1986年設立)が、2015年6月に統合して誕生した学会ですが、前身を含めますと37年の歴史を有する伝統ある学会です。このような学会の代表を務めることになり、大変光栄に存じますと共にその重責に身の引き締まる思いです。本学会は、不整脈に携わる内科医師だけでなく、心臓血管外科、小児科、基礎医学、医工学、メディカルプロフェッショナル(臨床工学技士、臨床検査技師、看護師、診療放射線技師、薬剤師、CDR)などの種々の領域からの会員によって構成されており、会員数は2020年5月1日現在10,142名、学会認定不整脈専門医1,137名が在籍する循環器病学のサブスペシャリティーの中でも最大規模の学会です。

 不整脈は、虚血性心疾患、心不全と並ぶ循環器病の3大領域の一つであり、私はこの30年あまり、診療・教育・研究のいずれの面においても、本邦の不整脈診療・教育・研究のプレゼンスをあげることを目標に活動して参りました。これは、循環器病の他領域との関係、海外との関係のいずれにも言えることです。

 不整脈の分野は、1990年代に入り、カテーテルアブレーション、植込み型除細動器(ICD)・心室再同期療法(CRT)などのデバイス治療、遺伝性不整脈の遺伝子診断などのイノベーションが次々と起こり、現在でもその進歩のスピードが著しい領域です。アブレーションやデバイス治療では、高度先進医療機器を取り扱うことも多く、医師だけでなくメディカルプロフェッショナルを含む多職種によるチーム医療が大変重要です。また、遺伝子診断や電気生理学を深く理解するためには、基礎医学の充実が必須です。これまで以上に、医師だけでなく多種職の方々に積極的に学会活動に参加していただき、種々の領域からの専門的知識・技術を導入し、学会および学会員の発展のために切磋琢磨する場を提供することが、私の最も重要な責務と考えております。

 今回、理事長就任にあたり、学会員一丸となって不整脈の診療・教育・研究のプレゼンスをあげることを具現化するために、いくつかの新しい委員会を立ち上げました。まずは、『不整脈』というものを知ってもらうために、情報発信および啓発活動は極めて重要です。これまで部会であった情報広報部会を委員会とし、ホームページや現在問題となっているCOVID-19対策、あるいは禁煙や心源性脳梗塞・心臓突然死の予防などについて、予防委員会とともに積極的な情報発信・啓発活動を行っていきたいと思っています。

 また、本学会員は専門性の高いアブレーション、デバイス治療、遺伝性不整脈の遺伝子診断などを行っており、その数およびレベルは世界に誇れるものです。不整脈の新規医療技術・治療法の開発、病態の解明には、これらの豊富なデータをしっかりとデータベース化し、IT/AIを駆使してこれらを解析していく必要があり、新たにIT/データベース委員会を立ち上げ、継続性をもってこれを行っていく体制を作っていきたいと思います。

 さらに、今後も本学会を継続的に発展させていくには、不整脈を志す若手医師の育成、女性医師の積極的参加、基礎医学者と臨床医の交流、その他の分野間の交流が必要であることは言うまでもありません。これらに関連する部会は、将来構想検討委員会として取りまとめていくことといたしました。

 勿論その他にも、不整脈専門医に関連する新専門医制度、不整脈に関連する薬剤費・医療材料費・手技料、医療安全、国内の他の循環器関連学会・海外の不整脈学会との関係など、多くの重要案件があり、それぞれ関連する委員会および部会でこれらに取り組んでまいりたいと考えております。

 これまで30年以上に渡り育てていただいた日本不整脈心電学会の第4期理事長として、学会員の皆様と共に、全力を上げてこれらの課題に取り組んで参る所存です。

 会員の皆様におかれましては、温かいご指導、ご支援の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

2020年9月25日

一般社団法人 日本不整脈心電学会
理事長 清水 渉
(日本医科大学大学院医学系研究科 循環器内科学分野)