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メカニカルシース等を用いたリード抜去手術に対するステートメント

平成27年5月 日本不整脈心電学会

1. ステートメント公表の背景

ペースメーカ等の不整脈デバイス治療の手術件数は全国で年間6万件以上が行われており、デバイス治療に関連した合併症も散見され、特に感染を合併した際にはリードを含めたすべての異物除去が必須であることは広く認知されている。ある程度以上の留置期間を経たリードは、単純牽引での抜去は困難あるいは危険なため、何らかのデバイスによる補助が必要である。2010年8月にレーザーシースを用いたリード抜去術が保険収載されて以降、経静脈リード抜去術が本邦においても普及してきたが、2015年にCOOK社のリード抜去デバイスが薬事承認されたことから、今後さらに経静脈リード抜去が広く行われることが予想される。

従来から大正医科器械株式会社が販売しているVascoExtor Viper(承認番号: 20500BZY00826000)やこの度承認されCook Japan株式会社が販売するCOOK リード抜去システム(承認番号: 22700BZX00054000)は共にメカニカルシースとリードロッキングデバイスがセットとなっており、これらを使用することで症例によってはレーザーシースを使用せずに経静脈的リード抜去が可能である。レーザーシースの使用の如何を問わず、経静脈リード抜去は相応の危険を伴う手技であることから、薬事承認に際しての添付文書に、

本品の使用に際しては、Cook Japan株式会社が実施するトレーニング等を受講した上で、関連学会が定めるステートメントに従い行うこと。

との「警告」が明記され、日本不整脈学会にステートメント作成が要望された。

2. メカニカルシースを用いたリード抜去を行う医師、施設に求められる要件

 前述のとおり、レーザーシースの使用の如何を問わず、経静脈リード抜去は相応の危険を伴う手技であり、上大静脈等の損傷や心穿孔に伴う大出血がこれに含まれる。こうした合併症の発生に際しては、寸分の猶予なく開胸術をはじめとする緊急処置が必要であり、リード抜去を行う術者だけでなく、緊急手術を行う心臓血管外科医を含めた施行施設の十分な危機管理体制が求められる。

 術者には不整脈デバイス治療に対する十分な知識と経験と技術に加え、経静脈リード抜去に対する十分な知識(適応、抜去術の様々な手法に関する知識、起こり得る合併症と対応、抜去できなった場合の対応など)が求められる。実際の使用に先立って、Cook Japan株式会社が行うトレーニング等を受講する必要がある。

 緊急開胸術が行える手術体制とは、必要十分な人数の心臓血管外科医が常勤しているだけでなく、緊急時に心臓外科手術の迅速な対応が得られる施設としての危機管理体制を意味する。

3. その他

 上記2項に示す医師、施設に求められる要件は、当該手技の今後の実施状況と結果を鑑み適宜更新されるべきである。また、現在経静脈リード抜去の適応は2009年HRS/AHA Consensus1に示されている適応に準じて行われているが,国内での臨床使用の蓄積を基に本邦における適応が検討されるべきである。

参考文献

  1. Wilkoff BL, Love CJ, Byrd CL, Bongiorni MG, Carrillo RG, Crossley GH, 3rd, Epstein LM, Friedman RA, Kennergren CE, Mitkowski P, Schaerf RH, Wazni OM, Heart Rhythm S, American Heart A. Transvenous lead extraction: Heart rhythm society expert consensus on facilities, training, indications, and patient management: This document was endorsed by the american heart association (AHA). Heart Rhythm : 2009;6:1085-1104
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