日本不整脈心電学会

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2024年(令和6年) 新年のご挨拶

President

新年、明けましておめでとうございます。

石川県能登半島地方を震源とする大規模な地震で犠牲となられた方がた、羽田空港の飛行機事故で犠牲となられた方がたに、謹んでお悔やみを申し上げます。能登半島地震の被災地では現在もなお余震が続き、救援活動が困難を極めていることと存じますが、皆様の安全と一日も早い復興を、心よりお祈り申し上げます。

2020年からのコロナ感染拡大も集束の兆しをみせ、昨年5月には第5類に分類されたことから、日常生活もコロナ感染拡大前に戻りつつあります。しかし、昨年からの急激な円安の進行や物価の急上昇などにより、日常生活は厳しい状況が続いております。医学・医療に目を向けると、コロナ禍の影響も加わり医師の過重労働の問題、これについては4月から本格的に医師の働き方改革が導入されますが、医師の労働環境はますます厳しいものになることが予想されます。また、この医師の労働環境の悪化が、本邦における特に基礎研究の研究力の低下につながっているという悪循環もみられます。

日本不整脈心電学会の活動は、我が国の医療の発展、国民の健康の増進に寄与するため、循環器領域の中でも不整脈・心電学の診療・教育・研究の発展と、そのための人材育成を大きな目的としています。特に若い人材の教育・研究の場として、学術大会と3つの分科会(心電学関連春季大会、アブレーション関連秋季大会、植込みデバイス関連冬季大会)、全国を7地区に分けての地方会を開催していますが、昨年はコロナ感染前を上回る参加者を集め、レベルの高い発表と熱い議論が行われ、役割を存分に発揮できたのではないかと思います。

本学会が世界に誇るレジストリ事業の一つであるカテーテルアブレーションのJ-ABレジストリを、新規のアブレーションであるパルスフィールドアブレーションの市販後調査に活用するといった産学連携の新しい取り組みもいよいよ今年開始します。新専門医制度は現在も混乱した状況が続いていますが、着実に不整脈専門医制度のプラットフォーム作りを進めています。学会誌であるJournal of Arrhythmia(JOA)が念願のインパクトファクター(IF)を取得したのは昨年の6月のことです。。ホームページもリニューアルし、若手医師を対象とした教育用映像コンテンツをホームページ上「テアトルJHRS」「ベリタスJHRS」にて配信しました。キニジン等の薬品供給不足問題や不整脈デバイスなどの医療機器の安全情報提供についても迅速に対応してきました。さらには、海外の不整脈学会とのジョイントセッションや合同コンセンサスステートメントの作成に積極的に参加しました。

これらは、各委員会、部会における学会員の皆様のご協力とご尽力の賜物であり、あらためてこの場を借りて厚く御礼申し上げます。日本不整脈心電学会が益々発展し、医療の発展、国民の健康の増進に寄与するためには、これまで以上に学会員の皆様のご参画が重要です。皆様の益々のご協力をお願い申し上げて、新年の挨拶とさせていただきます。

最後に2024年が皆様にとりまして素晴らしい年になりますことを心より祈念申し上げます。

一般社団法人 日本不整脈心電学会
理事長 清水 渉
(日本医科大学大学院医学系研究科 循環器内科学分野)

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