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J-RHYTHM 試験

心房細動に対する標準的な治療法である抗不整脈薬を用いた洞調律維持治療と古典的薬物を用いた心拍数調節治療に関しては、優劣が長く論争されてきました。欧米ではAFFIRM試験、RACE試験などの大規模臨床試験が実施され、その結果患者の生命予後あるいは心血管イベントの観点からは、両者の治療法は同等の有効性を持つと結論づけられています。一方、これらの結果を本邦で適応するには、用いる抗不整脈薬が異なること、発作性心房細動患者に対する知見に乏しいことが問題点として指摘されていました。

このような問題意識から、本邦の患者を対象に、本邦で使用可能な抗不整脈薬を用いた場合、同じ仮説が導かれるかを検討しようとした大規模臨床試験がJ-RHYTHM試験です。日本心電学会主催のもと、2003年より患者登録が開始され、2006年に終了しました。試験期間中に1,065例(発作性心房細動885例、持続性心房細動180例)が登録され、発作性心房細動症例数は世界一の規模となりました。なお、本試験は患者の生命予後、心血管イベントのみならず、患者のQOLも評価の対象とする試験となっています。

その結果、発作性心房細動・持続性心房細動に関わらず、患者の生命予後、心血管イベントという観点から見ると、欧米で行われた臨床試験と同じく、両者の治療法は同等の結果を導くと結論づけられています。一方、QOLの観点からは、発作性心房細動では洞調律維持治療が患者の忍容性という点で心拍数調節治療より優れていました。持続性心房細動ではこの観点においても両者の治療法は同等の結果でした。

さらに本試験については、三つのサブグループ分析が発表、論文化されています。その内容は、①発作性心房細動における抗不整脈薬別の洞調律維持率、②抗不整脈薬を変更することの臨床的意義、③スタチン製剤のアップストリーム治療効果、に関するものです。結果につきましては、下記の論文をご参照ください。

試験デザイン

Yamashita T, Ogawa S, Aizawa Y, Atarashi H, Inoue H, Ohe T, Okumura K, Kato T, Kamakura S, Kumagai K, Kurachi Y, Kodama I, Koretsune Y, Saikawa T, Sakurai M, Sugi K, Nakaya H, Nakayama T, Hirai M, Fukatani M, Mitamura H, Yamazaki T; J-RHYTHM Investigators. Investigation of the optimal treatment strategy for atrial fibrillation in Japan. Circ J. 2003;67:738-741

主要結果

Ogawa S Yamashita T, Yamazaki T, Aizawa Y, Atarashi H, Inoue H, Ohe T, Ohtsu H, Okumura K, Katoh T, Kamakura S, Kumagai K, Kurachi Y, Kodama I, Koretsune Y, Saikawa T, Sakurai M, Sugi K, Tabuchi T, Nakaya H, Nakayama T, Hirai M, Fukatani M, Mitamura H for the J-RHYTHM Investigators. Optimal treatment strategy in patients with paroxysmal atrial fibrillation. Circ J 2009;73:242-248

サブグループ分析

Aizawa Y, Kohsaka S, Suzuki S, Atarashi H, Kamakura S, Sakurai M, Nakaya H, Fukatani M, Mitamura H, Yamazaki T, Yamashita T, Ogawa S and J-RHYTHM Investigators. Comparison of Antiarrhythmics Used in Patients With Paroxysmal Atrial Fibrillation. Circ J. 2010;74.:71-76

Endo A, Kohsaka S, Suzuki S, Atarashi H, Kamakura S, Sakurai M, Nakaya H, Fukatani M, Mitamura H, Yamazaki T, Yamashita T, Ogawa S; J-RHYTHM Investigators. Impact of drug alteration to maintain rhythm control in paroxysmal atrial fibrillation. – Subanalysis from J-RHYTHM study -. Circ J. 2010;74:870-875

Watanabe E, Yamashita T, Suzuki S, Saikawa T, Hirai M, Yamazaki T, Ohtsu H, Ogawa S, J-RHYTHM investigators. Statin treatment for patients with paroxysmal atrial fibrillation: A J-RHYTHM substudy. Int Heart J 2011;52:103-106