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J-RHYTHM II 試験

高齢化、ならびに生活習慣病、特に高血圧を有する患者の増加に伴い、今後これらの要因と密接に関連する心房細動患者が増えることが危惧されています。実際米国では、Framingham Heart研究により実に40歳以上人口の4人に1人が心房細動を発症する可能性があると報告されており、重大な医療課題の一つとして考えられています。しかし、一方でAFFIRM試験に見られるように、従来の抗不整脈薬(ダウンストリーム治療)には治療に限界があることが認識されはじめ、心房細動の原因となる不整脈基質自身に対する治療(アップストリーム治療)こそ、最良の治療であるとして注目されるようになりました。この不整脈基質の形成には数多くの神経・体液性因子や機械的負荷が関与するものとされていますが、この中でも近年高血圧に対して使用頻度が増加しているレニン-アンジオテンシン系抑制薬、特にアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)はこのアップストリーム治療の代表として有望視されています。本邦におけるこのような心房細動のアップストリーム治療の意義を明らかにするためJ-RHYTHM II studyが企画され、2006年夏に開始しました。300例を超える患者登録がなされ、試験は2009年9月に終了しました。

高血圧を伴う発作性心房細動の血圧をCCBとARBで管理する二群間で比較した結果、両群の間で①心房細動発作回数、②慢性化、③左房径の増加、④主要ハードイベントに有意な差はなく、ARBによるアップストリーム治療効果を裏付ける結果は得られませんでした。しかし、このような結果は海外におけるGISSI-AF研究、ACTIVE-I研究、ANTIPAF研究と同等の結果であり、海外の大規模臨床試験に遅れることなく試験遂行を行い、同一の結果を生み出すことができたという点で意義があります。本研究については、さらに左房径と発作性心房細動の頻度についてのサブグループ分析を発表、論文化しています。

試験デザイン

Yamashita T, Ogawa S, Aizawa Y, Atarashi H, Inoue H, Ohe T, Okumura K, Ohtsu H, Kato T, Kamakura S, Kumagai K, Kurachi Y, Kodama I, Koretsune Y, Saikawa T, Sakurai M, Sugi K, Nakaya H, Hirai M, Hirayama A, Fukatani M, Mitamura H,Yamazaki T, Watanabe E; The J-RHYTHM II Investigators. Randomized Study of Angiotensin II Type 1 Receptor Blocker vs Dihydropiridine Calcium Antagonist for the Treatment of Paroxysmal Atrial Fibrillation in Patients With Hypertension. Circ J. 2006;70:1318-1321

主要結果

Yamashita T, Inoue H, Okumura K, Kodama I, Aizawa Y, Atarashi H, Ohe T, Ohtsu H, Kato T, Kamakura S, Kumagai K, Kurachi Y, Koretsune Y, Saikawa T, Sakurai M, Sato T, Sugi K, Nakaya H, Hirai M, Hirayama A, Fukatani M, Mitamura H, Yamazaki T, Watanabe E, Ogawa S; on behalf of the J-RHYTHM II Investigators. Randomized trial of angiotensin II-receptor blocker vs. dihydropiridine calcium channel blocker in the treatment of paroxysmal atrial fibrillation with hypertension (J-RHYTHM II Study). Europace. 2011;13:473-479

サブグループ分析

Suzuki T, Yamazaki T, Ogawa S, Nagai R, Yamashita T; J-RHYTHM II investigators. Echocardiographic predictors of frequency of paroxysmal atrial fibrillation (AF) and its progression to persistent AF in hypertensive patients with paroxysmal AF: results from the Japanese Rhythm Management Trial II for Atrial Fibrillation (J-RHYTHM II) Study. Heart Rhythm. 2011;8:1831-1836