どうしても心電図は苦手、とアレルギー反応を示す方が少なくありません。心電図は「図形」ですから、その形に「病態」や「疾患」のヒントが隠れています。どの形がどんな病態で、どの形ならどんな疾患を表すのか、「かゆく」ならないように少しずつ図形を判読し、用語を頭に入れていきましょう。
はじめの一歩を踏み出して心電図が今までと違って見えるようになったら、あとはもう心電図を究めるしかありません。ぜひ心電図検定にもチャレンジしてみましょう。

中級コースは12誘導心電図を通して心筋虚血（狭心症や心筋梗塞）と徐脈性不整脈、頻脈性不整脈の基本について学びます。また、抗不整脈薬や電解質異常、遺伝性不整脈、カテーテルアブレーションについてもサラッと触れます。いずれも循環器疾患の病態理解の基本です。
「心電図はじめの一歩」で得た知識を踏まえて、繰り返し復習して、心電図に「慣れる」ようにしましょう。

心電図の判読にかかる知識を深め、技術を極めていくと、より高みを目指したくなるものですが、これまでそうした受皿になるような上級者セミナーは、あまりありませんでした。そこで、皆さまからのリクエストにお応えする形で、昨年度から上級コースが新設され、私が講師を仰せつかることになりました。第1部では、心電図の判読に必要な上級知識を解説、第2部では不整脈を中心に、第3部ではそれ以外の領域について、実際の心電図を例示しながら、心電図判読の実際と上級者テクニックを概説したいと思います。
講師である私自身のスキルにも限界はございますが、本セミナーを受講される皆さまが、より高みを目指されるためのきっかけになれば幸いです。

【サンプルスライド】
実際の心電図を提示しながら、判読における上級者テクニックを解説する形式です。スライド（心電図）は、受講時のお楽しみとさせてください。

ペースメーカだけでなく、植込み型除細動器（ICD）、心臓再同期療法（CRT）など様々な心臓植込み型デバイスが使用されるようになり、病棟や外来、また救急対応などでデバイスの患者さんの管理をする機会も多くなっているのではないでしょうか。そして、デバイスが入っているというだけで、心電図もちょっと難しく見えてしまったりしていませんか？　実は、私も研修医のころは、デバイス患者さんの心電図への苦手意識が強く、「できれば関わりたくない」と思ってしまうことがしばしばありました。でも、ペースメーカについて少し学び、心電図を繰り返し見ていくうちに、生理的に受け付けない状況から脱することができました。ここでは、ペースメーカ、ICD、CRTの基礎知識と、その心電図について学んでいきます。デバイス患者さんのケアにおいて、少しでも役立つセッションになれば嬉しいです。

このセミナーではこども・先天性心疾患術前／術後の心電図を解説してゆきます。第１部では刺激伝導系の仕組みをおさらいしつつ、こどもと大人の心臓の同じ所と違うところを概説します。第２部では主に正常心構造の小児の心電図異常について、どのように読み解くかを、第３部では先天性心疾患術前・術後の状態がどのように心電図に現れてくるのかを概説してゆきます。
このセミナーを通じて、小児のモニター・12誘導心電図に対する苦手意識を少しでも和らげて、適切な対応につなげられる一助になればと思います。