日本不整脈心電学会

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2018年2月

森田 宏(岡山大学大学院医歯学総合研究科)

Q62歳女性。検診で心拡大と心電図異常を指摘された。自覚症状は軽い動悸を感じる程度であった。心電図から考えられる疾患は何か。1つ選べ。
a. 拡張型心筋症
b. 肥大型心筋症
c. 心アミロイドーシス
d. 不整脈原性右室心筋症
e. 心房中隔欠損症(二次孔欠損)
回答と解説はこちらから   

【解答】

d

【解説】

心電図所見
1. 心室期外収縮(4拍目)
2. 不完全右脚ブロック
3. イプシロン波(V1〜V4)

不整脈原性右室心筋症は心筋脂肪・線維組織置換が右室心外膜側心筋より始まり、最終的には左室心筋障害まで進展する疾患である。常染色体優性遺伝を示し、心筋間結合のデスモゾーム関連遺伝子の異常が原因である。病態の進行とともに、心室頻拍、心房性不整脈、心不全をきたす。画像上、著明な右室拡大および右室収縮性低下を認める。心電図では右側胸部誘導のT波陰転化や、右脚ブロック波形およびイプシロン波が特徴的である。イプシロン波は右側胸部誘導でQRS波形終末部(問題の心電図ではV1〜V4)に見られるノッチ様の低振幅の波形で、30%の症例に見られる特徴的な所見である。

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