2018年3月
森田 宏(岡山大学大学院医歯学総合研究科)
- Q4歳女児。検診で心雑音を指摘された。胸部XPで、心拡大、肺血流増加を認めた。心電図から考えられる診断は何か。
- a. 心房中隔欠損症(一次孔欠損)
b. 心房中隔欠損症(二次孔欠損)
c. 心室中隔欠損症
d. 肺動脈狭窄症
e. Fallot四徴症
- 回答と解説はこちらから
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【解答】
b
【解説】
心電図所見
1. 不完全右脚ブロック
2. 右軸偏位
3. V4誘導の陰性T波
肺血流が増加する疾患としてa~cが鑑別となる。V2誘導の尖鋭P波は右房負荷所見と考えられる。一次孔欠損型心房中隔欠損症は不完全右脚ブロック、1度房室ブロック、左軸偏位が特徴的な心電図所見とされる。二次孔欠損型心房中隔欠損症では不完全右脚ブロック、右軸偏位、右房負荷をきたし、1割程度の症例では1度房室ブロックを認める。また小児例ではV3~V4誘導の孤立性陰性T波を認め、二次孔欠損に特徴的な変化とされる。右軸偏位、右脚ブロック、陰性T波は右室容量所見と考えられている。心室中隔欠損症では短絡量に応じて左室肥大、右室肥大、左房負荷の所見を認める。