2017年01月
渡邉 英一(藤田保健衛生大学)
- Q76歳男性。前立腺肥大の既往がある。4日前より尿閉となり、飲水を控えていた。本日は嘔気と意識レベルの低下が認められたため、救急外来を受診した。心電図診断はどれか。
- a. 発作性上室頻拍
b. 心房粗動
c. 心室頻拍
d. 高K血症
e. 高Ca血症
- 回答と解説はこちらから
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【解答】
d. 高K血症
【解説】
主要心電図所見 (1) QRS幅増大
(2) T波増高
QRS幅は著明に増大し、V5,V6でT波増高が認められる。来院時の血清K値は7.6 mmol/mlであり、グルコン酸カルシウムの静注と血液透析を行ったところ、改善した。血清K値が上昇することにより心筋静止膜電位が浅くなった結果、Na電流の活性(availability)が減少し、心室内の興奮伝導遅延が発生した。