ここに注目!
Temporal and geographical trends in anticoagulant therapy and catheter ablation for atrial fibrillation in Japan, 2014-2022
- 本研究は心臓血管外科で開胸手術を受けた274症例を対象とし、心外膜脂肪細胞が術後心房細動に与える影響を前向きに解析したトランスレーショナルリサーチである。
- 術中に回収・培養した心外膜脂肪細胞中のmRNA発現を解析すると,術後心房細動群の心外膜脂肪細胞で有意にSPARCL1の発現が低下していた。
- ラットのcardiomyocyteにSPARCL1を負荷すると,酸化ストレスが抑制された。
- iPS由来ヒト心房筋細胞(iPS-ACM)と,ヒト心外膜脂肪細胞の共培養実験では、非術後心房細動群のヒト心外膜脂肪細胞と共培養したiPS-ACMで酸化ストレスが抑制された。
- SPARCL1はERKやp38MAPK,Aktといったシグナルを調整すると報告されており,本研究でもそれらシグナルを介した酸化ストレスの抑制能が示唆された。
- 心外膜脂肪細胞中のSPARCL1発現が低い患者では,退院後長期の心血管イベントが増加していた。
上記結果から,心外膜脂肪細胞から分泌されるSPARCL1は,隣接する心筋の酸化ストレスを抑制し,術後心房細動や退院後長期の心血管イベントを抑制している可能性が示唆された。