日本不整脈心電学会

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⼼臓植込みデバイス患者のMRI 検査に関する運⽤指針に関するFAQ

MRI検査の施設基準

条件付きMRI 対応心臓植込みデバイス患者(MRIカード保有者)のMRI検査の施設基準(2024年1月改訂)に「放射線科と循環器内科あるいは心臓血管外科の専門医がいること」とあるが、常勤・非常勤の区別は?
MRIカード保有者については、2024年1月改訂のステートメント、臨床MRI安全運用のための指針では常勤・非常勤に関する規定はありません。
ただし施設内にMRI検査を管理するチーム(責任医師含む)の構築やメンバーの定期的講習会受講、MRI検査前中後の安全管理等をステートメント・指針通りに行う必要があります。したがって常勤医師がその責務を担うことが望ましいと考えられますが、非常勤医師が常勤医医師と同等の管理・運用が可能であり、ステートメント・指針で定義された施設基準・実施条件を満たしている場合、MRIカード保有者のMRI検査は可能です。
一方、MRIカード非保有者のMRI検査においては、施設基準内に、「放射線診断専⾨医、不整脈専⾨医、並びに磁気共鳴専⾨技術者がそれぞれ常勤していること」と明確に定められており、非常勤医師のみでの撮影は推奨できません。
循環器内科医の常勤がいなくなり、非常勤のみになります。
非常勤医師のみであっても撮像してよいのか?また、撮像不可の場合、法的な拘束力はあるか?
MRIカード保有者については、2024年1月改訂のステートメント、臨床MRI安全運用のための指針では、常勤・非常勤に関する規定はありません。
ただし施設内にMRI検査を管理するチーム(責任医師含む)の構築やメンバーの定期的講習会受講、MRI検査前中後の安全管理等をステートメント・指針通りに行う必要があります。
したがって常勤医師がその責務を担うことが望ましいと考えられますが、非常勤医師が常勤医師と同等の管理・運用が可能であり、ステートメント・指針で定義された施設基準・実施条件を満たしている場合、MRIカード保有者のMRI検査は可能です。
本改定は3学会合同で作成されたステートメントであり法的拘束力はありませんが、裁判等で参考にされることはあり得ます。
条件付きMRI 対応心臓植込みデバイス患者(MRIカード保有者)のMRI検査の施設基準(2024年1月改訂)で、放射線科1名+循環器内科あるいは心臓血管外科の専門医1名が必要との記載があるが、その専門医とは何をさすか?
a)日本不整脈専門医デバイス工業会(JADIA) MRIサイト内にある所定の研修を完了した医師が専門医である必要がある
b)所定の研修を完了しなくても、院内に専門医がいれば問題ない
MRI対応デバイス患者のMRI検査の施設基準として定められたものであり、放射線科と循環器内科あるいは心臓血管外科の専門医がそれぞれ必要であるため、b)となります。
現在はデバイス患者であってもMRI検査料は非デバイス患者(通常の患者)のMRI検査料と同じで差がありません(MRI検査時のデバイスのチェック料は保険請求できます)。しかし今後、診療報酬改訂でデバイス患者のMRI検査料の増点が認められた場合、施設基準を満たした医療機関(厚生局に施設基準の届出が必要になりますが)ではデバイス患者のMRI検査の検査料の増点が保険請求できることになります。厚生局への施設基準の届出内容は医療監査でチェックされ、施設基準を満たしていなかった場合には、施設基準の取り消しやMRI検査料の返還命令が出されることになるかもしれません。
条件付きMRI 対応心臓植込みデバイス患者(MRIカード保有者)のMRI検査の施設基準(2024年1月改訂)に「放射線科と循環器内科あるいは心臓血管外科の専門医がいること」という記載が追加になり、前回より基準が厳しくなったのはなぜか?
基準が厳しくなったとは考えておりません。専門医が求められたのは、単に循環器医師では臨床研修終了した卒後3年目の循環器医師やデバイスに関する知識が全くない医師も含まれてしまうこと、MRI検査に関する安全な対応が医療安全上求められていること、デバイスを含めた循環器系の基本的トレーニングが終了した専門医が対応する必要がある、との認識のためです。
条件付きMRI 対応心臓植込みデバイス患者(MRIカード保有者)のMRI検査の施設基準(2024年1月改訂)に放射線科専門医が明記されたが、非常勤でも可能か?放射線科の標榜が削除されたのはなぜか?
常勤/非常勤は問われていません。非常勤でも可能です。
放射線科医師が不在でも放射線科は標榜できるので、施設基準に含んでいません。標榜するより専門医がいることを重要視しました。
今回の改訂で心臓デバイス患者のMRIカード保有者へのMRI検査だけでなく、MRIカード非保有者へのMRI検査を可能としたことから、学会として放射線科医師をはじめ専門医師の管理のもとで安心安全に検査を行っていただきたいという意図であることをご理解ください。
条件付きMRI対応心臓植込みデバイス患者(MRIカード保有者)のMRI検査の施設基準(2024年1月改訂)に記載されている磁気共鳴専門技術者に準ずる者、の準ずるというのはどのような技師か?
磁気共鳴専門技術者に準ずる者とは、磁気共鳴専門技術者の資格はないが同等の知識と経験を積んだ高度な技術を持っている者を指します。磁気共鳴専門技術者がいない施設で、MRI装置の精度と安全を管理していて、CIEDsのみならず体内デバイス保有患者、全身MRI、肝エラストグラフィなどのMRI検査経験が十分にあることが望ましい。
ただし、2024年1月に改訂された「心臓植込みデバイス患者のMRI検査に関する運用指針」では、MRIカード非保有患者に対して、磁気共鳴専門技術者に準ずる技師では検査できませんのでご注意ください。
条件付きMRI 対応心臓植込みデバイス患者(MRIカード保有者)のMRI検査の施設基準(2024年1月改訂)に記載されている「安全管理体制の構築」で、デバイスごとに管理チームを作ること・・とあるが、「デバイスごと」の区分はどういうことか?(メーカーごと、ペースメーカやICDといった種類ごと、など)
施設により、ペースメーカ患者のMRI検査は対応可能であるが、ICD患者のMRI検査は対応できない場合や、ペースメーカでもA社とB社は対応可能であるが、C社のペースメーカは対応できない場合などがあります。従って、各医療施設毎に対応可能な範囲内で安全管理体制をとる必要があります。
MRIカード保有者のMRI検査を実施するためには、日本不整脈デバイス工業会(JADIA)で施設認定の取得と登録が必要だが、MRI カード⾮保有者のMRI検査を今後実施していく場合、新たな認定の取得と登録が必要か?
現時点で、MRI非対応デバイス患者のMRI検査は、新しい施設基準と実施条件を満たした場合に可能となります。3学会合同ステートメントに記載の通り、日本不整脈デバイス工業会(JADIA)の施設認定(MRIカード保有者)を受けていることが前提となります。
現時点でステートメントに記載されていること以外(新たな認定取得や登録)の条件はありませんが、MRIカード非保有者にMRI検査を行う場合は、主治医と不整脈専門医の承諾書、検査時の循環器医師の立ち会いが求められます。また、その施設の放射線医師あるいは放射線技師による日本磁気共鳴医学会の登録サイトへの登録が義務付けされています。
「MRIカード非保有者のMRI検査の新たな施設基準」(表1_5)に記載のMRI検査時の立会い者(循環器医師)とは?
検査が行われる医療機関は、常勤の不整脈専門医と放射線診断専門医がいる施設であり、検査に立ち会う医師は常勤不整脈専門医でなくても循環器医師(あるいはデバイスに精通した救急科を含む他科医師)で、適切な判断のもと緊急での対応やデバイスプログラム操作が可能であれば実施は可能と思われます。
なお、立ち会い医師に関しては、不整脈専門医や放射線診断専門医にも判断を求め、院内で適切に判断されることが望ましい。

MRI検査の実施条件

「条件付き MRI 対応⼼臓植込みデバイス患者(MRIカード保有者)におけるMRI 検査の実施条件(2024年1月改訂)」の【実施条件】3に記載の「MRI検査」を依頼をする科は?
循環器内科医師以外が、心臓植込みデバイス患者の主治医の場合、主治医がMRI検査を放射線科にオーダーする前に、所定の研修を修了した循環器内科医師と放射線診断専門医に連絡・相談し、安全性を確認した後にMRI検査を施行する必要があります。
MRI 検査の実施条件に記載されている循環器医師は、循環器内科医師と心臓血管外科医師が含まれるか?
循環器医師は、循環器内科医師もしくは心臓血管外科医師が含まれます。これは実施条件であるので、所定の研修を受けている必要があります。
MRIカード非保有者のMRI検査の新たな実施条件(表2_8)で、「MRI検査を行う場合のプログラム操作が可能なスタッフ」はどのような職種か?
心臓植込みデバイス患者のデバイス設定及び変更を行うことが可能なスタッフを指しています。対応可能な循環器医師や臨床工学技士、などが該当します。

MRI施設認定申請方法

心臓植込みデバイス患者のMRI施設の認定申請方法は?
現在3学会において条件付きMRI対応心臓植込みデバイス患者(MRIカード保有者・非保有者とも)のMRI撮像に特化した施設認証は行っておりません。 ただし2024年1月に改訂されました「条件付きMRI対応心臓植込みデバイス患者(MRIカード保有者)のMRI検査の施設基準の改訂」の施設基準に、「原則として、⽇本医学放射線学会・⽇本磁気共鳴医学会が定める「臨床MRI安全運⽤ のための指針」を遵守すること」が追加されており、指針に則った運用が望まれます。
大規模から中規模の病院ではMRI安全管理について施設認証をすでに取得されている施設※が多いです。
一度ご確認いただき、本施設認証を望まれる施設は画像診断管理認証機構において臨床MRIの安全運用に関する施設認証を取得することもできます。
また関連する放射線医師、循環器医師あるいは心臓血管外科医師(常勤)、臨床工学技士、臨床検査技師あるいは看護師(常勤)放射線技師は所定の研修(日本不整脈デバイス工業会におけるトレーニング受講)を完了する必要がありますので、ご確認ください。
「MRI対応植込み型不整脈デバイス患者のMRI検査の施設基準」は、認定証は発行されるか?
日本不整脈デバイス工業会(JADIA)から「確認書」が発行されます。
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