会長挨拶

2026年カテーテルアブレーション関連秋季大会を、古都・奈良の地にて開催させていただくこととなり、ご挨拶申し上げます。
今回の大会テーマは、「古の都からアブレーション治療の未来を探る」としました。奈良は、日本の歴史と文化の源流ともいえる地であり、多くの知と祈りが蓄積された場所です。この静かで落ち着いた雰囲気のなかで、私たちが日々取り組んでいるアブレーション治療を、これまでの歩みとともに振り返り、現在の課題を見つめ、そして未来へのヒントを探りたいと考えています。
カテーテルアブレーション治療は、ここ数十年で大きく進化しました。電気生理学の進歩に加え、三次元マッピングシステムやさまざまな種類のアブレーション技術(高周波・冷凍・パルスフィールドなど)が登場し、治療の精度と安全性が高まっています。さらに、人工知能(AI)などの最新技術も活用されるようになり、治療のあり方そのものが大きく変わりつつあります。一方で、対象となる患者さんが増えている今、適応の判断、合併症の管理、チームで取り組む医療体制の整備など、現場ならではの課題克服もますます重要になっています。
本大会では、こうした課題をみなさんと一緒に考え、これからの治療にどう活かしていくかを議論できるよう、また、医師のみならず、看護師・臨床工学技士・臨床検査技師・診療放射線技師など、現場でアブレーションに関わる多くのスタッフに参加していただけるよう、多彩なプログラムをご用意します。特に、若い世代の皆さんにとって幅広い視点からの学びや交流が生まれる刺激にあふれた大会となることを目指しています。
秋の奈良は紅葉が美しく、ゆったりとした時間が流れる季節でもあります。歴史あるお寺や神社、自然豊かな風景など、心と体をリフレッシュできる場が多数ありますので、ぜひ現地でその魅力も感じていただければと幸いです。
過去に学びながら、未来に向けて一歩を踏み出す―これは医療の現場でも大切な姿勢です。本大会が、皆さまの日々の実践に新たな気づきをもたらし、より良い医療の実現につながる時間となることを願っております。
多くの皆さまと、奈良でお会いできることを心から楽しみにしております。
カテーテルアブレーション関連秋季大会2026
会長 鈴木 誠(横浜南共済病院循環器内科)
里見 和浩(東京医科大学循環器内科分野)