日本不整脈心電学会 第15回植込みデバイス関連冬季大会

特別企画 カミジョウミカ展のご案内
-描くことは生きること。生きることは描くこと-

 信州大学医学部附属病院の廊下は、ときどきGalleryに様変わりします。院内学校の生徒たちの図画工作、医学部学生の部活での力作、地域作家の写真や絵画などが展示され、廊下を行き来する人達の気持ちを和ませてくれます。その中でも、僕がしばらくの間、その作品の前を離れることができなかったポップな modern art が、「カミジョウミカ」でした。

 カミジョウミカさんは世界で5人しか報告されてない超希少難病に罹患しており、車椅子生活を送っています。今から30年ほど前に信濃医療福祉センターに入院して寝たきりだったとき、両親にスケッチブックと水性ペンを買ってきてもらい、看護師さんやお医者さんたちの似顔絵を描き始めたのが、アートの世界に足を踏み入れたきっかけだそうです。その後、多くの絵画展にて受賞、企業とのコラボレーションでさまざまなグッズを制作するなど、パラアートから現代美術のステージに駆け上っていきました。

 彼女の作品に魅了された僕は、図々しくも第15回植込みデバイス関連冬季大会のポスターデザインをお願いしてしまいました。ダメモトの気持ちでしたが、彼女はこころよく引き受けてくれたのです。心臓とペースメーカをモチーフにして描いてくれた三部作のうちの1枚が本大会のポスターの原図、ほかの2枚も明るくて楽しい作品に仕上がりました。

 さらに、「カミジョウさんの作品を、もっとたくさんの人に知ってもらいたい!」との思いにかられ、本大会の特別企画として、「カミジョウミカ展~描くことは生きること。生きることは描くこと~」を開催することにいたしました。彼女の目覚しい活躍とその軌跡は、本展に足を運んでいただければ、きっとわかっていただけると思います。さきの三部作も本展の入口に展示してありますので、ぜひ逢いに来て下さい。

 また、カミジョウミカさんはこの三部作以外にも、本大会のためにたくさんの作品を無償で貸与してくれました。参加証、会場内の掲示、参加受付や企業展示会場での配布物……。すべて、カミジョウミカさんの作品を使用させていただいています。本大会は、まさにカミジョウミカ・ワールドといえるでしょう。

 難病と闘いながらも、ポップで、力強くかつ繊細で、鑑賞者の気持ちをワクワクさせるカミジョウミカ・ワールドをぜひお楽しみ下さい。

 第15回植込みデバイス関連冬季大会
大会長  庄田 守男

カミジョウミカさんって、どんなひと?

カミジョウミカさんは長野県在住の現代アート作家です。超希少難病を抱えているため、車椅子生活を送りつつ、空想画や抽象画を描いています。カラフルな色彩と緻密な線画が持ち味で、見る者を圧倒します。カミジョウミカさんの活動の軌跡はコチラからご覧になれます。

カミジョウミカ mini GALLERY

「カミジョウミカ展~描くことは生きること。生きることは描くこと~」展示作品から、いくつかの作品を「カミジョウミカ mini GALLERY」として展示いたします。ほんの少しだけですが、カミジョウミカ・ワールドをご体験ください。

 
ぴちぴちTAKARADUKA カチカチKABUKI

ぴちぴちTAKARADUKA(上)
カチカチKABUKI(下)

木製パネルにアクリルガッシュで描いた作品です。歌舞伎の隈取や宝塚のメイクが、カミジョウさんらしいタッチで表現されています。それぞれ700×900㎜と大きな作品で、見る者を圧倒します。

電解質をごくり

電解質をごくり

薬の包装の中から色を塗って貼りつけ、針金をホチキスで留めた作品。針金が薬を包み込むようにうねうねとのびています。針金は電気コード、左上にあるのは基板?そんなことを考えながら見ると、また違った味わいがあります。800×800㎜と、大迫力の作品です。

ヒトがネコにつながったりする

ヒトがネコにつながったりする

なんと、園芸に使う寒冷紗を用いた作品です。ヒトとネコがつながって、輪ができているように見えます。なんともいえない楽しそうな表情をみると、思わず笑みがこぼれてしまいます。530×455mmの世界に描かれた彼らに、ぜひ逢いに来てください。

にじさん

にじさん

カミジョウさんの初期の作品(1999年)。千代紙や折り紙、ポスターカラーで表現されています。パッと目を引く鮮やかな色彩はカミジョウさんの持ち味。728×515㎜におさまりきれない、パワーみなぎる「にじさん」から、たくさんの元気をもらいましょう。

ウゴク動くシンゾウに装着

ウゴク動くシンゾウに装着

第15回植込みデバイス関連冬季大会のポスターに使用されている作品。心臓が粘土で立体的に表現され、植込まれているデバイス機器はエアチューブと針金を使用しています。594×420㎜の木製パネルに描かれた心臓から、ドクッドクッという拍動が聞こえてきそうです。
 

さあ、カミジョウミカ・ワールドへ!

「カミジョウミカ展~描くことは生きること。生きることは描くこと~」では、60数点の作品を展示しております。
力強くかつ繊細なカミジョウミカ作品に、ぜひ逢いに来てください。

会場 仙台国際センター展示棟(会議室1・2)
※地下鉄東西線「国際センター駅」より徒歩1分
会期 2023年2月24日~26日(9:00~17:00 ※最終日は16:00まで)
※入場無料