日本不整脈心電学会 カテーテルアブレーション関連秋季大会2022

会長挨拶

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 2022年11月24日(木)~26日(土)にカテーテルアブレーション秋季大会2022を朱鷺メッセ(新潟市)で開催します。2021年大会は、新型コロナ感染症の中、完全Web開催となりました。この学会としては初めての試みで、高橋淳大会長をはじめ、関係者の方々の多大なご苦労に敬意を表します。新しい大会形式ではありましたが、医師のみならず多くのメディカルプロフェッショナルの方々に参加いただき、成功裏に大会を終えたことは称賛に値します。巷間、新型コロナ感染症以前の学会を懐かしむ声を多数耳にします。カテーテルアブレーション秋季大会2022では以前の学会の賑わいを取り戻したいと考えておりますが、いくすえは新型コロナ感染症次第です。開催形式は社会状況を踏まえて追って公表させていただきます。

 カテーテルアブレーション手術は1994年の保険償還以来4半世紀を超え、頻脈性不整脈治療の主流となりました。その理由の一つは、不整脈に対する根治性です。従来の薬物療法が維持療法であったのに対し、カテーテルアブレーション治療は不整脈からの解放をもたらします。しかしながら、生体に侵襲を加えることは、予期しなかった副作用を引き起こすことがあります。われわれ医療者は、どの頻脈性不整脈に、どのようなカテーテルアブレーション治療が望ましいか、さらなる議論が必要です。

 日本循環器学会報告(J-ROAD)によると、カテーテルアブレーション治療件数は年々増加しています。特に心房細動患者に対するカテーテルアブレーション治療件数の増加は顕著です。理由は二つです。ひとつは高齢化に伴う心房細動患者の増加です。もう一つはカテーテルアブレーション治療の安全性と有効性の向上です。これを支えているのは各種カテーテルや3Dマッピングシステムといったハード面での進歩と、不整脈学を専攻する医師と臨床工学技士、放射線技師、生理検査技師、および看護師などのメディカルプロフェッショナルの方々の知識と技術の向上です。

 本大会の目的は、カテーテルアブレーションに関する不整脈治療の最新の知見、治療成績向上、合併症対策といったテーマについて、カテーテルアブレーションに関わる多くの医療従事者がその情報を共有し、4半世紀にわたって積み上げられた経験と業績を顧みて、不整脈患者さんへの有効かつ安全な適正治療を追求することにあります。その大きな目的を実現すべく、大会長として最大限の努力をして参ります。

 本大会では、初日の11月24日にライブセミナーを行います。各分野のエキスパートを招いて手技を行っていただきます。翌日25日の公開研究会では医師を対象とした演題のみならす、メディカルプロフェッショナルセッションにも重点を置いて、参加者全員にとって実りある会にしたいと思います。26日の研修セミナーでは、各分野のエキスパートから、最新の技術と知見が学べます。皆様にとって有意義な3日間となるように大会を構成する所存です。

 多くの皆様の参加をお待ちしております。さらなるカテーテルアブレーションの発展に向けて、ともに前進してまいりましょう。

カテーテルアブレーション関連秋季大会2022

会長 丹野  郁(昭和大学江東豊洲病院循環器センター循環器内科)
   池主 雅臣(新潟大学医学部保健学科)