会長挨拶
清水 渉
日本医科大学大学院医学研究科 循環器内科学分野
栗田 隆志
近畿大学病院 心臓血管センター
この度、私たち2人は、2022年6月8日(水)~11日(土)の4日間、パシフィコ横浜ノースにおいて「第68回日本不整脈心電学会学術大会」を開催する運びとなりました。
本大会のテーマは、「不整脈心電学2022’s ~新たなイノベーションへ~」といたしました。
1990年代後半からこの四半世紀の間に、不整脈心電学の領域では、大きなイノベーションがありました。一つはカテーテルアブレーションと、植込み型除細動器・心室再同期療法などのデバイス治療の登場と普及です。これらの非薬物治療により、心房細動をはじめとする多くの不整脈が根治可能となり、致死性不整脈や心不全患者さんの予後が著しく改善しました。もう一つは、不整脈疾患の遺伝子診断や再生医療も含めた基礎研究の進歩です。将来は革新的技術にAIの導入などが加わり、ハード面の発展は想像を超えるかもしれません。ソフト面ではメディカルプロフェッショナルが参加する多職種連携や包括的治療の実践も進んでいます。私たち日本不整脈心電学会の目指すところは、これまで患者さんや社会に恩恵をもたらしたコンセプトを更に大きく発展させ、新たな、そして暖かみのあるイノベーションを創生することです。本大会のテーマにはそうした願いも込められています。本大会を、国立循環器病センター(現・国立循環器病研究センター)のレジデント時代から35年来の盟友2人で開催できることはこの上ない慶びです。
2020年初頭からの新型コロナ感染症拡大防止のため、同年の大会は中止となり、2021年大会も、完全リモート開催となりました。2022年の大会こそ、人類がコロナ禍を克服した象徴的な大会として、多くの方々に横浜の地にご参集いただけるものと信じております。内外のオピニオンリーダーをはじめ、不整脈心電学を志す若手医師、メディカルプロフェッショナルの方々とface to faceで交流し、積年の思い、そして不整脈心電学の新たなイノベーションを熱く語れる場にしたいと思っております。もちろん、最優先すべきは皆様の健康と安全であることには変わりありません。
最後になりましたが、本大会が会員皆様にとりましてより実り多く、思い出に残るものとなりますよう、ぜひとも積極的なご参加とご支援を賜りたくお願い申し上げます。
2021年10月吉日