洞不全症候群のプレシジョン医療実現化に向けたAll-Japanプロジェクト(J-PRES3)への
研究参加及びご協力のお願い

 洞不全症候群(SSS)は加齢とともに罹患率が上昇し、年間約4万人いる新規ペースメーカ植込み患者の約4割を占める頻度の高い不整脈です。SSSと心房細動(AF)は、ペースメーカ植込み後やカテーテルアブレーション治療後に合併することがあり、共通のリスク要因と発症基盤を有する多因子性不整脈だと考えられます。最近、多因子疾患の遺伝的リスクを解明するゲノムワイド関連解析(GWAS)が急速に進み、AFでは30個のリスク遺伝子座が明らかになりました。しかしSSSのリスク遺伝子はほとんど解明されていません。
 本研究の目的は、日本不整脈心電学会後援のもと、全国の医療機関から可能な限り多くのSSS症例を登録していただき、SSSの未知の遺伝的リスクを明らかにすることです(3,000症例を目標としています)。その結果を既知のAFの遺伝的リスクと比較することで、SSSとAFの共通の発症基盤やAFアブレーション後のSSS合併のメカニズムを解明し、個人のリスクに応じたプレシジョン医療の実現を目指したいと考えております。
 本プロジェクトに参加していただくことで現場の先生方には大きな負担をおかけすることになりますが、我が国の不整脈学および心電学の発展のためにぜひご協力をお願いいたします。

平成30年5月吉日

J-PRES3 代表
一般社団法人 日本不整脈心電学会 評議員
国立循環器病研究センタ―  客員部長
札幌禎心会病院 循環器内科
蒔田 直昌