カテーテルアブレーション全国症例登録研究(J-AB 2022)へのご協力のお願い

本邦において、頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療は増加の一途をたどり、すでに年間10万例以上の治療が行われています。

カテーテルアブレーション治療は、機器の技術革新および手技の進化に伴い、今ではほぼ全ての頻脈性不整脈が治療対象となり、全国400を超える施設において日常の診療として行われるようになりました。ここまで発展してきたカテーテルアブレーション治療ですが、実際の治療方法や治療結果に関する情報、つまり現状把握に関する組織的な情報収集はこれまでなされておらず、日本全体で日々どのような治療が行われているのかは明らかにされてきませんでした。

今後さらに治療対象や症例数が拡大することを考慮し、現時点からでも学会主導での全例レジストリを開始することが必要であるとの機運が高まり、2017年よりカテーテルアブレーション全例登録プロジェクト(J-ABレジストリ)が企画されましたが、今回、登録システムの変更および入力項目の追加・修正等が必要となり、新しいレジストリとしてカテーテルアブレーション全国症例登録研究(J-AB 2022)を開始することにいたしました。

本レジストリよる成果は、医療従事者に対する有用なデータとなるのみならず、患者・行政・司法に対しても有用な情報になります。また、将来的にはアジアおよび欧米等の海外データベースとのネットワーキングや国内の他のデータベースと合わせて研究を進めることで、我が国のカテーテルアブレーション治療の進むべき方向性をも示す羅針盤となることが期待されます。

本レジストリへの参加は現場の先生方に大きな負担をお掛けすることになりますが、日本の不整脈診療の発展のために是非ご協力をお願いしたく思います。アブレーションに関わっている皆さんによる、皆さんのためのレジストリです。時間をかけてゆっくりと大きく育てていきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2022年1月吉日

一般社団法人日本不整脈心電学会
理事長 清水 渉
同 カテーテルアブレーション委員会
委員長 井上耕一