心電学関連大会

会長挨拶

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 この度、 第2回心電学関連大会をお世話させていただくことになりました。会期は 2022年4月9日(土曜日)、パシフィコ横浜よりweb開催にて開催致します(メディカルプロフェッショナルセッション会場のみハイブリッド開催)。本会は日本ホルター・ノンインベイシブ心電学研究会(JASHNE)、心電情報処理ワークショップ(JSCE)、体表心臓微小電位研究会、心電図伝送システム研究会の4つの研究会を母体として統合されたもので、昨年より日本不整脈心電学会(JHRS)の分科会としてスタート致しました。

 4つの研究会の中でも日本ホルター・ノンインベイシブ心電学研究会(JASHNE)の歴史は古く、1981年 (昭和56年) に日本ホルター心電図研究会として発足し、 2006年に JASHNE と呼称を変更いたしました。2019年にはわたくしが第39回のJASHNEを横浜ベイシェラトンにて開催させていただき、2020年は心電学関連研究会(4研究会統合)として清水渉会長(日本医科大学循環器内科教授)が開催、2021年は心電学関連大会として池田隆徳会長 (東邦大学循環器内科教授) のもと記念すべき第1回を無事に終えました。 12 誘導心電図、ホルター心電図、イベント心電図、突然死予知指標などの非侵襲的領域にとどまらず、植込み型心電計、植込み型デバイス、カテーテルアブレーションといった侵襲的な検査・治療、さらには機械学習やAIまで、 伝統と近未来的な側面が見事に融合した実り多き大会でした。

 2019年来のCOVID-19パンデミックは我々の生活にいまだ甚大な影響を与えておりますが、ワクチンの加速的な広がりにより一時的な収束傾向をみせています。医療現場の皆様方におかれましては、従来の循環器急性期疾患の対応に加え、COVID患者さんの治療、COVIDワクチンの予防接種業務、さらには地域の患者さんの健康維持という様々な社会的使命を果たすべく、尽力されていると存じます。

 そのような環境下でわれわれの学術大会への参加様式は実に大きく一変しました。以前のように学会場に直接足を運び「集う」ことの自由は厳しく制限されています。オンラインはノンバーバルコミュニケーションを体感しにくいという欠点があり、発表者の息遣いや、会場の熱気を肌で感じることができません。「学びの楽しさ」が恋しく感じることもしばしばです。残念ながら今回もオンサイトは叶いませんが、オンラインによる効率性の高さと、どこでも誰でも最新の知見を自由に聴講できるといった平等性は極めて重要なポイントでしょう。

 会長特別企画では、「最新のガイドラインの主な変更点とトピック」をご講演いただく内容にいたします。シンポジウムでは近年注目されている「放射線体外照射による不整脈治療の実際」と題して実臨床における照射計画のプロセスについて、ご発表いただきたいと考えています。

 本会は医師・研究者のみならず、メディカルプロフェッショナルの皆様にも多く参加していただくことを目的としています。前年の基礎医学、 医工学、薬学、侵襲的検査手法と治療に加え、今回は新たに「メディカルプロフェッショナルから見た心電学」「産学連携から見た心電学」「動物実験・獣医学と心電学」など多彩なプログラムを企画しました。メディカルプロフェッショナル部門の第4会場は教育セミナーを含むことから、終日オンサイトとオンラインのハイブリッド様式となっています。職種を問わず、 多様な領域で研究の志を持った皆様方におきまして、 意見交流の場になりましたら主催する者として望外の喜びです。最後になりますが、本大会の開催に際し、ご支援とご協力を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

2021年(令和3年)10月吉日

第2回心電学関連大会
会長 吉岡 公一郎
(東海大学循環器内科教授)