会長挨拶
この度、第13回日本不整脈心電学会植込みデバイス関連冬季大会の会長を務めさせていただきます、関西医科大学総合医療センターの髙木雅彦でございます。開催に際しまして、ご挨拶申し上げます。
現在、コロナ禍において様々な社会活動が制限されております。従来の対面による集合形式の学術大会も開催が困難な状況です。しかしながら、研究発表、教育、学習、交流の場である学術研究会は発表し議論することにこそその意義があり、開催しないことは社会的損失といえます。そこで、現状の「新しい生活様式」の中どのような開催方法があるのか思案しながら本大会の準備を進めております。今後の社会情勢に応じて開催方法を変更する可能性はありますが、オンライン配信を用いた開催を現在検討中でございます。オンライン学術集会は、対面の学術集会に比べ、より多くの皆様がひとつのセッションに参加することができ、また診療で病院を離れられない方にもご参加いただけます。スライドも非常に見やすく、また見逃したセッションはいつでもオンデマンドで視聴することが可能です。さらに、オンライン配信のメリットを生かし、海外からの演者招聘を従来よりも多く予定しております。
植込み型デバイスの発展・進歩は留まることなく、新たなテクノロジーが開発され臨床応用されてきております。リードレスペースメーカ、皮下植込み型除細動器、ヒス束ペーシングなどが本邦でも臨床使用できるようになっておりますが、一方でそれぞれ特有の合併症、問題点も明らかになりつつあります。そこで本大会では、第1回大会で新田 隆会長が取り上げられた「安全性」を再考することにフォーカスをあて、「より安全性の高いデバイス治療を目指して」をテーマといたしました。第1回大会より12年を経て新たに臨床応用されたテクノロジー、あるいは近未来に臨床応用される可能性の高いデバイスについて、適格な植込み適応、安全に植込むための手技、トラブルの早期発見とトラブルシューティングなど、より安全に治療を提供するための活発な議論を、また現在のコロナ禍において患者・医療従事者双方に対し、より安全にデバイス治療を行うにはどのような感染予防対策が必要かについての議論も医師・メディカルプロフェッショナルそれぞれの立場から行える大会になればと願っております。
また、本大会では、以前の大会から好評を博しているトラブルシューティングなどの企画、メディカルプロフェッショナルのセッションに加え、継続的に議論が必要なデバイス植込み患者の終末期治療などのテーマに対するセッションも予定しております。
発表や議論をエンジョイいただき、オンラインで参加される皆様におかれましてはセッションを楽しく御視聴いただくと同時に新たな情報収集にお役立ていただければと存じます。
多くの皆様の御参集を心待ちにしております。
第13回植込みデバイス関連冬季大会
会長 髙木雅彦
(関西医科大学総合医療センター 不整脈治療センター)