心臓解剖標本展示
日本医科大学多摩永山病院内科・循環器内科
井川 修
すべての構造には、その構造を呈している理由がある。心臓構造は血行動態と密接に関係しており、この“構造のロジック”を考えることにより疾患への理解は深まるものと考えられる。ヒト心臓構造情報を正しく認識することは、いつの時代にも必要なことであり、とりわけ心臓植込みデバイス関連の領域では不可欠な作業といえる。
心臓植込みデバイス診療は、2次元透視下に施行されている。その画像上に得られる2次元透視構造を3次元立体構造へ変換し、そのイメージの中でデバイスを植込む。処置が終了すると再度、3次元構造を2次元構造に再変換し、その処置の妥当性を2次元透視下に評価する。イメージ構築、再変換にあたっては正確な解剖学的知識が求められることはいうまでもない。
本企画では、参加者がヒト心臓の3次元立体構造を十分理解できるよう、展示スペースにおいて実際の①ヒト心臓標本と②心臓解剖写真を展示している(2月11日、12日終日)。標本は、デバイス植込み例も含めて病的心臓と正常心臓を用意し、両者を比較できるように配慮している。時間帯によっては参加者よりいただいた質問にその場でお答えする予定である。さらに2回にわたる教育セミナー〔11日(13:00~14:00 第3会場)、12日(9:30~10:30 第1会場)〕では、デバイス診療に必要な心臓・血管の解剖をシステマティックに、より詳しく解説する予定である。多くの貴重な情報の詰まったヒト心臓標本を通して、新しい世界を自身で体験し、今後のデバイス診療の糧にしていただきたい。
(共催:日本メドトロニック株式会社)
ヒト心臓標本展示とヒト心臓写真展示
ヒト心臓標本展示
以下の内容の心臓標本を展示予定
- ヒス束ペーシング施行時リードポジションの想定
- 右室・右房ペーシングリード留置
- CRTDシステムの留置例
- 傍胸骨左室長軸断面
- 右室流出路内腔
- 大動脈基部と右心系の関係
- 大動脈弁基部・膜性中隔と刺激伝導系の関係
- 心臓4腔断面
ヒト心臓写真展示
以下の内容の心臓解剖・組織写真を展示予定
- 房室結節よりヒス束に至る刺激伝導系組織の連続切片(ヒス束ペーシング用)
- ヒト体幹矢状断面(右側 左側)
- ヒト体幹斜状断面(45°60°)
- ヒト体幹水平断面
付)左房内での冷凍バルーンアブレーション(左房内腔正面)
ハンズオンセミナー
- 2月11日(日) 10:00-11:00 大動脈基部と周辺構造
- 2月11日(日) 15:00-16:00 ヒス束ペーシングと心臓解剖
- 2月12日(月) 11:00-12:00 大動脈弁基部・膜性中隔と刺激伝導系
教育セミナー
教育セミナー1抄録 | 2月11日(日) 13:00~14:00 | 第3会場 |
教育セミナー2抄録 | 2月12日(月) 9:30~10:30 | 第1会場 |