ごあいさつ

小川 聡(慶應義塾大学医学部循環器内科教授)
小川 聡(慶應義塾大学医学部循環器内科教授)

このたび、第23回日本不整脈学会学術大会長のご指名を受け、パシフィコ横浜で2008年5月31日から6月2日に学術大会を開催出来ますことは大変な名誉であり、誠に光栄に存じます。2004年にNorth American Society of Pacing and Electrophysiology(NASPE)がHeart Rhythm Society(HRS)に改名されたのを機に、本学会も2006年に日本心臓ペーシング・電気生理学会から日本不整脈学会(J-HRS:Japanese Heart Rhythm Society)に改名されました。カテーテル・アブレーション、ペースメーカーや自動植込み型除細動器等の不整脈非薬物療法を中心としたこれまでの討議に加え、不整脈治療全般を扱う学会へと変貌して今回で3回目となります。基礎電気生理学から不整脈薬物療法を活動の中心に据える日本心電学会とは、これまで車の両輪として不整脈研究とその臨床応用に寄与してきました。昨年の両学会の合同学術集会の成功を受けて、不整脈の基礎から臨床までを包括的に議論する場が多くの会員からも期待されております。今後も両学会が協調してこうした場を定期的に提供していくことになっていますが、この度の第23回学術大会は日本不整脈学会の単独開催であり、新生日本不整脈学会の在り方が問われることになります。

 新学会のコンセプトの元、本大会では基礎電気生理領域の話題から、イオンチャネル異常の話題も取り上げ、臨床不整脈の領域からは、心室再同期療法(CRT)やカテーテル・アブレーションの最先端の話題についても広く討議する場としたいと考えています。第21回大会で好評であった、不整脈専門医のための病理展示やカテラボシミュレーターの準備もしております。その他にも魅力的なシンポジウム・パネルディスカッションを企画しておりますので是非とも多数の会員の参加をお願い致します。また学会の活力を維持するために最も重要な一般演題についても、奮ってご応募いただけましたら幸いです。

 横浜で世界中の科学者が一同に会し、不整脈治療という大きな目標に向かって議論を深めることで実り多い学術大会とすべく、教室員一同鋭意準備を進めております。