自動体外式除細動器(AED)とは?
街のいたるところで自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator:AED)を見かけるようになりました。現在、日本で民間使用できるAEDは約65万台といわれています。AEDは心室細動で心臓が止まった患者さんに電気ショックをかけて正常な脈に戻す機器で、ICDと同様の役割をもっています。心室細動かどうかを診断するのはAEDですが、最後に電気ショックをかけるためには、AEDのボタンを押す人の手が必要です。
救命にはAEDが必要不可欠
心室細動が起こると血液が全身に送られなくなるため、心臓が止まっているのと同じ状態になります。1秒でも早く正常な状態に戻さないと、命にかかわります。救急車を待っていては刻一刻と脳がダメージを受けるため、救命には市民による除細動がどうしても必要です。
総務省によると、令和5年に一般市民が目撃した心肺停止は28,354人でした。そのうち一般市民が心肺蘇生を実施しなかった数は11,427人、1ヵ月後の生存者数は837人(7.3%)、社会復帰者数は393人(3.4%)でした。一方、一般市民が心肺蘇生を実施した数は16,927人、1ヵ月後の生存者数は2,511人(14.8%)、社会復帰者数は1,697人(10.0%)でした。さらに、AEDを用いて除細動を実施した数は1,407人、1ヵ月後の生存者数は763人(54.2%)、社会復帰者数は632人(44.9%)でした。つまり、AEDで蘇生されると、生存者数はもちろん、1ヵ月後の社会復帰率が非常に高くなります。大事な人を失わないためにもAEDの使用方法を覚え、いざというときにためらわずに使用できるようにしておいてください。AEDの使用方法については、日本AED財団のホームページに記載されています。

いざという時には、ためらわずにAEDを!
【参考資料】
日本AED財団のホームページ
https://aed-zaidan.jp/knowledge/index.html#anchor2