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Brugada症候群とは?

 Brugada症候群は1992年にスペインのBrugada(ブルガダ)兄弟によって報告され、東アジアでの発症が比較的多いといわれています。発症の男女比は9:1で、特に青壮年期の発症が多いとの報告があり、いわゆる「ぽっくり病」の原因疾患ともいわれています。
 また、2008年にHaïssaguerreらが報告した早期再分極症候群との類似点が多いことから、両者をまとめてJ波症候群と呼ぶこともあります。

原因

 原因の一つに遺伝子変異が挙げられます。原因遺伝子はいくつか報告されていますが、多くはSCN5A遺伝子に関係しているといわれています。発熱や薬(ナトリウムチャネル遮断薬)、飲酒が誘因ともいわれ、就寝中に突然死することがあります。

症状

 Brugada症候群には、症状のある場合とない場合があります。症状のある場合を症候性Brugada症候群、症状のない場合を無症候性Brugada症候群といいます。
 症候性Brugada症候群では、主に失神やめまい、動悸、胸部不快感、苦悶様呼吸(呼吸困難により苦しそうな表情になる)、心室細動や心停止が見られます。これらの症状は安静時や就寝中、夕食後や飲食後(迷走神経緊張状態時)に現れやすいといわれています。発熱時、まれに運動時にも見られる場合があります。

診断方法

 まずは、症状(原因不明の心停止、心室頻拍、多形性の心室頻拍、夜間の苦悶様呼吸、失神)、既往歴(30歳以下の心房細動・心房粗動)や家族歴(45歳以下の原因不明の突然死、Brugada症候群、発熱時や就寝時の発作の有無、)について問診します。次に、安静時12誘導心電図検査を行います。検査時に発作が現れないことも少なくないため、薬物(ナトリウムチャネル遮断薬)負荷試験で発作を誘発して、心電図を記録する場合もあります。そのほか、電気生理学的検査、遺伝子検査(保険適用外)を行う場合もあります。

治療方法

 治療方法には、生活指導、植込み型除細動器植込み術、薬物療法、カテーテルアブレーション術が挙げられます。

①生活指導

 まずは、発作の誘因となる状況を避けましょう。過度な飲酒をせず、免疫力を高めて発熱しないよう心がけましょう。発熱時には、早目に熱を下げるようにします。ナトリウムチャネル遮断薬は発作を誘発する可能性があります。何かしらの薬を使用する際には、必ず医師に相談してください。
 Brugada症候群では心室細動や心停止の恐れがあります。患者さんのご家族や周囲の方々は講習会などに積極的に参加し、心肺蘇生術やAEDの使用方法を身につけましょう。

薬を使用する場合は必ず医師に相談を!
薬によっては発作を誘発する恐れがあります。

②植込み型除細動器(ICD)植込み術

 Brugada症候群の突然死予防においては、植込み型除細動器(ICD)植込み術が最も有効です。

■心電図に異常所見があり、心停止や心室細動の既往歴のある場合

⇒再発率が高いため、ICD植込み術が必須となります。

■心電図の異常所見に加え、不整脈が原因と考えられる失神や苦悶様呼吸のある場合

⇒ICD植込み術が推奨されます。

■心電図の異常所見に加え、原因不明の失神があり、電気生理学的検査で心室細動が誘発される場合

⇒ICD植込み術が推奨されます。

■心電図に異常所見があるものの、そのほかの症状のない場合

⇒年齢や性別、家族歴などを考慮の上、SCN5A遺伝子検査が陽性、電気生理学的検査で心室細動が誘発されるなどの場合に、ICD植込み術が検討されます。

 なお、ICDを植込んだ患者さんは、定期的な通院、5~7年ごとの電池交換が必要となります。また、自動車の運転に制限がある、電磁波の影響を受けないようにするなどの注意が必要です。詳しくは、下記をご参考ください。

【参考資料】
「ICDのはなし~患者さんとご家族のみなさまへ~」
https://new.jhrs.or.jp/pdf/public/ICDguide.pdf

③薬物療法

 植込み型除細動器を植込んでいる患者さんに対して、発作の回数を減らすために薬物療法を行う場合もあります。キニジン、ベプリジル、シロスタゾール(保険適用外)、ジソピラミドの内服が有効なときがあります。心室細動が繰り返し起こる(電気ストーム)場合は、イソプロテレノールの点滴静注を使用することもあります。

④カテーテルアブレーション術

 植込み型除細動器植込み術後に、不整脈発作により頻回に正常作動を認める場合や薬が効かない場合には、カテーテルアブレーションが有効であることが報告されています。

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