カテコラミン誘発性多形性心室頻拍
カテコラミン誘発性多型性心室頻拍(CPVT)は遺伝性の不整脈です。発症頻度は1万人に1人程度と推定され、発症年齢は10歳前後が多いと報告されています。特に、若年者の突然死のリスクとされるため、早期に診断し、適切な治療を行う必要があります。
原因
心筋細胞では筋小胞体というカルシウムイオンの貯蔵庫がありますが、そこからカルシウムイオンが心筋細胞内に流出することで、筋収縮を起こします。筋小胞体からのカルシウムイオンの流出に関わる受容体の遺伝子異常によってCPVTは起こるとされています。運動や感情的なストレスなど、交感神経緊張が発作の誘因となります。
分類
CPVTは、変異する遺伝子によりCPVT1~CPVT5型に分類されます。そのうち最も多いのはRyR2(リアノジン受容体)に変異が見られるCPVT1型で、検出率は約60%と報告されています。ほかにもいくつかの遺伝子変異が報告されていますが、RyR2遺伝子以外の変異は非常にまれです。
症状
動悸や失神、時には心臓突然死に至る場合もありますが、無症状の場合も少なくありません。
診断方法
まず、発作を起こした時の状況(運動時、興奮時など)、既往歴、家族歴〔CPVT、突然死(特に若年の突然死)〕などについて問診します。
安静時心電図(標準12誘導心電図)ではおおむね正常で、洞徐脈(脈拍が遅くなる)が約20%に認められるといわれています。心電図検査では、発作が記録できなければ診断できません。そこで、発作を誘発して、どのような不整脈が現れるかを調べるために、運動負荷心電図検査を行います。運動負荷が難しい場合は、ホルター心電図検査や薬物(エピネフリン)負荷検査を行います。
CPVTでは遺伝子変異が約50~70%で認められることから、遺伝子検査が有効といわれています。

発作を誘発して、どのような不整脈が現れるかを調べます。
治療方法
まずは、患者さんの状況に応じて、運動の制限もしくは禁止、精神的なストレスの回避などの生活指導を行います。薬物療法ではβ遮断薬を用いますが、効果が得られない時は、フレカイニドを併用する場合もあります。薬物療法で効果が得られない時は、植込み型除細動器植込み術やカテーテルアブレーション術を行う場合もあります。