ホルター/モニター心電図から診断する不整脈

演 者 原田 将英 (藤田医科大学循環器内科)

不整脈の診断には発作時の心電図記録が最も重要である。しかし、12誘導心電図を用いて頻度が低い不整脈の記録は困難である。このような場合、外来患者であればホルター心電図、入院患者であればモニター心電図を用いた長時間記録が不整脈の検出に有用である。イベント時の心電図を記録することで、不整脈の診断、分類、重症度の評価が可能となる。ホルター心電図とモニター心電図に共通して言えるのは(1)単一あるいは少数誘導のスクリーニング検査であること(2)不整脈イベントの第一発見者は看護師や臨床検査技師などのメディカルプロフェッショナルが多いこと(3)実臨床ではメディカルプロフェッショナルが異常波形を拾い上げ、その緊急性並びに医師への報告の必要性を判断する場面が多いことが挙げられる。従って、患者に質の高い不整脈医療を提供するためには医師のみならず、メディカルプロフェッショナルもホルター/モニター心電図の波形に慣れておく必要がある。本講座では、日常臨床で遭遇するホルター/モニター心電図の異常波形や危険性の高い所見を解説し、メディカルプロフェッショナルの視点に立って医師に報告すべきタイミングや緊急時の対応などにつき概説する。