第27回日本不整脈学会学術大会

大会長 三田村 秀雄 (東京都済生会中央病院 循環器科)

第27回大会長     この度、第27回日本不整脈学会(Japanese Heart Rhythm Society; JHRS)学術大会の大会長を務めさせていただくこととなりました。2012年7月5日(木)〜7日(土)にパシフィコ横浜で開催致します。実は前26回学術大会も同所で開催予定でしたが、2011年3月11日に東日本を襲った大震災と大津波、それに続く放射能汚染と電力不足という未曾有の被災の影響で変更を余儀なくされました。幸い横浜は既に通常の状態に復しておりますが、まだまだこの災害から立ち直ることができず、辛い日々を送っている方も大勢おられることと想像します。

    そのような特別な時期における開催ということで、本学術大会のテーマを "Back on Rhythm: Recovering from the Quakes of the Heart and the Earth" としました。心臓に突然起こる予測困難な期外収縮や細動など、もろもろの不整脈を鎮めて元の規則正しい正常のリズムに戻すことを我々が目標としているように、少しでも多くの国民がこの不意にふりかかってきた震災から生き延び、苦難を乗り越え、1日も早く元のリズム感あふれる生活に戻っていただくことを願っています。

    本大会の開催地である横浜は、200年余り続いた鎖国の後に強いられて開港した港の一つです。小生の母校である慶應義塾の創始者、福沢諭吉は当初オランダ語を勉強していましたが、24歳の時、外国人に会いに横浜を訪れた際に全く言葉が通じず、そこで初めて国際語としての英語の必要性を実感して英語の勉強を始め、翌年には幕府の船で渡米するまでになりました。その国際都市、横浜こそ、海外からの演者・参加者を交えて不整脈学という実学を掘り下げ、国境を越えた普遍的な真髄に迫り、究めるのにまたとない所です。この地に不整脈に魅せられたあらゆる医師、コメディカル、企業の皆様に集っていただき、熱気と興奮と感動を共有したいと望んでいます。

    実りある大会にするために、そして悩める人々のリズムを治し、日本を再び元気にするために、皆様方のご支援ご協力をよろしくお願い致します。