臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第5章
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2.心室頻拍ECG V030(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、aVR、aVL、aVF同時記録)心拍数160/分を超えるQRS幅の広い持続性頻拍である。QRS波の形が心拍ごとに微妙に変化しているように見えるが、典型的な心拍(E)と比べて特に変形している部分(↑↓)に注目すると、これらの変形点がほぼ一定の間隔であらわれることに気付く。すなわち、変形点はP波であり、房室解離を示していると判断される。また、心拍CはQRS幅が狭く、正常伝導系を伝わった心室捕捉による心拍と考えられる。この両所見が同時に見られることから、心室頻拍と診断できる。    439

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