臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第5章
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1.心室期外収縮ECG V016(Holter心電図による記録、上段:CC5、下段:Ⅱ誘導)EはQRS幅が広く変形した早期収縮で間入性心室期外収縮であるが、先行洞収縮(S)との連結期が約300msecと極めて短い。そのため、心室期外収縮が先行洞収縮のT波の頂点付近に出現している。このような所見をR on T現象と呼び、心筋梗塞急性期などでは、しばしばここから心室細動に移行することがある。そのため、Lown分類ではgrade 5とされ最もリスクが高い所見として位置付けられている。なお、後述するQT延長症候群では、QT時間が延長しているため通常のタイミングで出現した心室期外収縮が容易にR on Tとなり、心室頻拍(Torsades de pointes型)を誘発することが知られている。    405

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