臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第5章
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第5章 心室性不整脈ECG V009(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ誘導の一部を拡大)本例において五段脈をきたす機序の説明は難しいが、洞収縮と心室期外収縮の間隔(連結期)を見ると、1拍目のS1-E1より2拍目のS2-E2が若干長いことに気付く。同様に、S4-E4<S5-E5である。S3及びS6の後に、それぞれ目に見えない期外収縮(E3及びE6)があると想定すると、S3-E3及びS6-E6が延長し、何かしらかの要因でE3、E6が脱落したために五段脈様のリズムを呈したと考えると辻褄が合いそうである。心室期外収縮の起源から周辺組織への伝導ブロック(進出ブロック)による潜在性期外収縮(concealed extrasystole)と呼ばれる現象かもしれない。    386

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