臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第4章
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4.房室ブロックECG J023(12誘導を6誘導ずつ連続記録)J022の前半と同様、P波1拍おきにQRS波が脱落している。典型的な2対1房室ブロックであるが、PP間隔に注目すると興味深い現象が確認できる。QRS波が脱落した部分のPP間隔(a:P1-P2、P3-P4、P5-P6……)はおよそ680msec前後、QRS波を挟むPP間隔(b:P2-P3、P4-P5……)はおよそ630msec前後で、微妙な違いではあるがQRS波を挟むPP間隔が短縮していることが分かる。このような現象を心室相性洞不整脈(ventriculophasic sinus arrhythmia)と呼び、QRS波出現時の心室収縮によるカテコラミンの放出や血行動態の変化が関与している可能性が考えられている。    331

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