臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第4章
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第4章 房室接合部性不整脈ECG J011(V1、V2、V3誘導の一部を拡大)胸部誘導の一部を拡大すると、QRS波の立ち上がりが緩やかで、デルタ波と思われる波が観察される。そのために、QRS幅が110~120msecに延長していると判断されることから、この頻拍は心室頻拍ではなく、副伝導路を順行し房室伝導系を逆行する逆方向性房室回帰性頻拍(antidromic AVRT)と診断される。本例では、心臓電気生理検査によってKent束の存在が確認され、逆方向性房室回帰性頻拍も誘発されたことから、アブレーションが行われた。    304

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