臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第3章
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1.心房(上室)期外収縮ECG A001(Ⅱ誘導の一部を拡大)洞収縮から期外収縮までの間隔(C)を連結期、期外収縮から次の洞収縮までの間隔(R)を回復周期と呼ぶ。多くの場合、上室期外収縮の回復周期は、洞周期に洞房伝導時間の2倍を加えた長さでほぼ一定である。これは上室期外収縮による心房興奮が逆行性に洞結節に侵入してリセットし(A)、一定の洞周期の後、次の洞結節興奮(A)が回復収縮を形成するためである。このような性質を非代償性と呼ぶ。図を例に説明すると、Cの長さにかかわらず、R=S+2Aという関係が成り立つ。また、この関係を利用して、逆にA=(R-S)/2で洞房伝導時間を推定することができる。洞不全症候群では、この洞房伝導時間が異常に延長していることが知られている。  95

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