臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第3章

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心電図 こぼれ話第９話　房室結節回帰性頻拍？？？　学会発表や論文のなかで、時々「房室結節回帰性頻拍」という表現に出会う。AV nodal reentrant tachycardia（房室結節リエントリー性頻拍）のことらしいが、WPW症候群におけるAV reciprocating tachycardia（房室回帰性頻拍）と大変紛らわしい。そもそも「回帰」とは太陽の北回帰線、南回帰線などで明らかなように、ある一定のところまでを行ったり来たりする現象を指す言葉で、WPW症候群のように心房と心室を興奮が往復するものをいう場合はよいが、房室結節リエントリー性頻拍の機序として興奮が房室結節周辺を旋回するというイメージとは明らかに異なる。用語は正確に用いるべきである。