臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第3章
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1.心房(上室)期外収縮ECG A016(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、aVR、aVL、aVF同時記録)先ずRR間隔を見ると、短い周期(A)と長い周期(B)の2種類があることに気付く。一見すると、S014で示した洞房ブロックが連続して起こっているようである。しかし洞房ブロックであれば、BはAの2倍、すなわちB=2Aのはずだが、本例ではBはAの2倍より明らかに短い。ここでT波に注目してみよう。微妙な違いなので分かりにくいが、○で囲んだA部分のT波と○で囲んだB部分のT波の形が異なっている。模式的に書くと、Aでは三角形、Bでは台形に近い。つまり、B では三角形の前半部分に異所性P波(↓)が重なっているため台形に見えるのであり、洞房ブロックではなく、A011と同じ非伝導性心房期外収縮が連続して出現したものと判断される。 129

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