臨床心電図解析の実際 - 不整脈編 第3章
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5. 心房粗動『心房粗動』は、右心房内を旋回するマクロリエントリーを機序とする頻脈性不整脈で、下大静脈と三尖弁の間の峡部を旋回路に含む『通常型』と、これを含まない『非通常型』に分けられる。通常型では、200~400/分で興奮する基線の規則的な『鋸歯状波(F波)』の発生が特徴で、多くの場合、興奮は反時計方向に旋回し、F波はⅡ、Ⅲ、aVF誘導で陰性を示す。まれであるが、時計回転を示す逆回転通常型ではⅡ、Ⅲ、aVF誘導で陽性になる。非通常型では、一般にF波は小さく、基線に平坦部がある。いずれもアブレーション治療のよい適応である。

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