臨床心電図解析の実際 ― 不適切自動診断編
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V1ⅠⅡⅢV3V5aVRaVLaVFV2V4V690それぞれの「完全右脚ブロック()」「Ⅰ度房室ブロック()」「左軸偏位()」という自動診断所見はいずれも正しく、特に重症度の高い所見ではない。しかし、はたしてそのままでよいのであろうか。これらの心電図所見は、それぞれ刺激伝導系の右脚、左脚前枝および房室結節内に伝導障害があることを示唆するものであり、三つの所見がそろえば「三枝ブロック」という診断を付け加えて、「高度房室ブロック」や「完全房室ブロック」へ進展するリスクがあることを示すべきであろう。なお「完全右脚ブロック」+「Ⅰ度房室ブロック」+「右軸偏位」の場合も、同様に考えてよい。診断名・所見名不適切-7 Answer

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