臨床心電図解析の実際 ― 不適切自動診断編
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V2ⅠⅡⅢV3V4V5V6aVRaVLaVFV188「coved型ST上昇」との自動診断所見で、Brugada症候群を疑われたとのことであるが、そもそも生来健康で失神などの既往歴はなく、突然死の家族歴もない健常人であった。V1、V2のQRS波形はrSR’型の「完全右脚ブロック」で有意のST上昇はなく()、「coved型ST上昇」の所見ではない。V5、V6に明らかなS波を認めること()も「右脚ブロック」の診断を支持する。Brugada症候群を疑う「coved型あるいはsaddleback型ST上昇」という所見名が多発する傾向にあるが、有意のST上昇を伴わないものは単なる「完全あるいは不完全右脚ブロック」であると判断してよさそうである。診断名・所見名不適切-6 Answer

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