臨床心電図解析の実際 ― 不適切自動診断編
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V2ⅠⅡⅢV3V4V5V6aVRaVLaVFV184自動診断の結果からは、何が重要でどのような対処が必要なのか、すぐには伝わってこない。そもそも心拍数180/分を超える極端な頻脈で、QRS幅が広く、迅速な対処が必要な状態であることは間違いがなさそうである。「2対1伝導の心房粗動」で「完全右脚ブロック」を伴っていると考えることもできるかもしれないが、QRS波の形が心拍ごとに少し変化しているようにも見え()、「心室頻拍」、特に「カテコラミン誘発性多型性心室頻拍」の可能性も考えておく必要があろう。診断名・所見名の表記にあたっては、必要とする適切な治療が遅れることのないよう、常に臨床的重要性の高いものを優先的に表示するなどの工夫が不可欠である。診断名・所見名不適切-4 Answer

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