V2ⅠⅡⅢV4V6aVRaVLaVFV1V3V582心拍数102/分のQRS幅の広い頻脈を呈しているが、はたして自動診断通り「心室頻拍」であろうか。もし自動診断が正しいとすれば、広範囲の心筋梗塞による心筋虚血に伴って心室頻拍が出現したと考えられ、極めて緊急性の高い重大な病態ということになるが、本人はほとんど自覚症状がなく、健康診断として来院しており、自動診断結果にはそぐわない。心電図をよく見ると、QRS波の前にP波らしき小さな波()があることから、「心室頻拍」ではなく「洞頻脈」で「左脚ブロック」ないし「心室内伝導障害」を伴った状態と判断するのが妥当ではないだろうか。「左脚ブロック」とすれば、下壁や前壁中隔領域の心筋梗塞様の波形(QSパターン)やST-T異常も説明がつく。そもそも自動診断で表示された「心室頻拍」と「心室内伝導障害」は、理論的に考えても両立しない所見である。診断名・所見名不適切-3 Answer
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