*心電図自動診断の結果得られた診断名・所見名が適切に表記されないと、臨床現場では不要な再検査や専門医受診を求められる可能性がある。*特に、手術前の心機能評価に心電図を用いる場合や、心電図専門医が関与しない健康診断や人間ドックにおける心電図評価に際しては、表記された診断名・所見名の臨床的意義を正確に担当医に伝えることが必要である。*心筋梗塞や心筋虚血などの表記や、Brugada症候群、J波症候群、QT延長症候群など重症不整脈に結び付く診断名を表記する場合には、適切な診療に遅れを生じさせないために、次にどのようなアクションが必要なのかを診断名の解説とともに記載することが望ましい。*一方で、軽度の軸偏位、時計回転・反時計回転、軽度の低電位差・高電位差、軽度のPR延長・短縮など、臨床的意義が高くないあるいは明確でない所見名などが数多く羅列して表記され、それらが独り歩きすることもある。不要な再受診・再検査を防ぐためにも、軽度の変化であれば「そのまま経過を見てよい」などのコメントを記載するのもよいかもしれない。診断名・所見名の不適切表記
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