*重大な所見の見落としを防ぐため、自動診断では多少の読み過ぎは許容されてきた。*特に迅速な対応が必要な所見名・診断名に関しては、多少でも可能性があると判定した場合には、「~の疑い」として記載されることが多い。*ノイズやドリフトあるいはU波など小さな基線の変化を、f波と読み過ぎた場合は「心房細動」、P波と読み過ぎた場合は「第1度あるいは第2度房室ブロック」と過剰診断することがある。*体動などによる一過性の基線の変化をとらえ、正常範囲の心電図に対し様々な不適切診断を下すことも少なくない。*早期再分極による正常亜型のST上昇を読み過ぎ、「急性心筋梗塞」と過剰診断する例も多い。*下壁誘導に幅の狭い小さなQ波があると、「陳旧性下壁梗塞」と過剰診断することがある。*QRSの立ち上がりがやや緩徐な場合、それをデルタ波と捉え、「WPW症候群」と過剰診断することがある。読み過ぎによる誤診
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