臨床心電図解析の実際 ― 不適切自動診断編
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abⅠⅡⅢV4V5V6aVRaVLaVFV1V2V354心電図を見慣れた方は、一見して「伝導比不定の通常型心房粗動」と診断できるであろう。決して紛らわしい心電図ではない。自動診断で上述のような不適切診断がなされた原因は、どこを取り出してどのように自動計測したのかわからないが、最初にPR間隔0.243秒と誤計測したことがきっかけのようである。そのため明らかな鋸歯状波を伴った「心房粗動」が見落とされ、さらにa、b()あたりを「上室期外収縮ショートラン」とした可能性が高い。また青矢印()で示すようなQRS直前のF波の陰性部分を「異常Q波」と誤認したと考えられる。なお、赤枠()で囲んだ心拍は「心室期外収縮」と考えられるが、自動診断では見落とされている。一つの計測ミスが次々と不適切診断を生み出したと判断される例である。計測ミス-7 Answer

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