臨床心電図解析の実際 ― 不適切自動診断編
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V1V2V4ⅠⅡⅢV5V6aVRaVLaVFV342Ⅱ誘導で陽性の洞性P波が赤矢印()の位置に明確に観察される。PR間隔は160msec程度で、房室伝導時間はまったく正常である。では、コンピュータはなぜPR間隔を448msecと誤って計測したのであろうか。コンピュータにとってP波との区別が難しい波形としては、U波、幅の狭いT波、基線上のノイズ等が挙げられるが、本例ではそれらに該当するような所見はみられない。あえて言えば、やや狭い尖ったT波()が考えられるが、これを用いた場合PR間隔()は700msec程度と計測され、自動計測結果とは大きく異なる。また、緑矢印()のU波をP波と誤認した可能性も考えられるが、そうであったとしてもPR間隔は540msec程度で、コンピュータがどの信号をP波と誤認したのか、詳細は不明である。計測ミス-1 Answer

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