臨床心電図解析の実際 ― 不適切自動診断編
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*心電図自動診断はP、Q、R、S、T、U各波形の開始点、終了点、振幅の計測およびそれに基づくPR間隔、QRS幅、QT間隔などの計測結果をもとに行われるため、これらの計測が不正確だと当然診断も不正確になる。*特にP波の開始点、S波の終了点(J点)、T波の終了点は、基線からの変化が緩徐であるため、自動診断では正確に把握するのが困難なことがある。*そのため、特にPR間隔、QRS幅、QT間隔の計測結果およびそれに基づく診断やST偏位の評価に際しては、細心の注意が必要である。*上記のような計測ミスや不正確な計測によって、思わぬ自動診断結果が表示され、心電図の評価に慣れていない医療従事者がその対応に苦慮することも少なくない。計測ミスによる誤診

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