V3V4abⅠⅡⅢV6aVRaVLaVFV1V2V5P130P2P3自動診断の「房室ブロックⅠ度」に関しては、実際のPR間隔が260msec程度に延長していることから、正しく診断されているといってよいが、「洞房ブロック」についてはどうであろうか。洞房ブロックであるとすれば、P2-P3間隔()はP1-P2間隔()の2倍ないし整数倍になるはずであるが、実際には2倍に満たないことから「洞房ブロック」の診断は否定的である。P2-P3間隔()が突然延長し一見「洞房ブロック」のように見えるのは、赤矢印部分()に「非伝導性心房期外収縮」があるからである。よく見るとT波の頂点部分がほかとは異なって先鋭化しており、これが心房期外収縮と考えられる。もともと第1度の房室ブロック(PR延長)があり、房室伝導能が低下しているため、心房期外収縮が早いタイミングで起こると心室まで伝導しにくいのである。なお、本例の自動診断とは無関係であるが、このような場合に図右下に示す間隔b()から間隔a()を引いた値が洞房伝導時間の2倍になることは以前のシリーズで述べたところで、Narula法やStrauss法を行わなくても簡易に洞房伝導時間を推定することができる。読み落とし-4 Answer
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