臨床心電図解析の実際 ― 不適切自動診断編
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*振幅の小さな波や微細な波形変化を読み落とすことによる誤診も少なくない。*胸部誘導V₁~V₃のr波の振幅が小さいとQSパターンと誤認し、「前壁ないし前壁中隔梗塞」と誤診することがある。*下壁誘導の小さなr波を見落とし、「下壁梗塞」と誤診することがある。*洞性P波を見落とすと、「房室接合部調律」「心房細動」などと誤診する。*f波を読み取れず「心房細動」と診断できないと、RR間隔が整であれば「正常洞調律」、不整があれば「洞不整脈」と誤診する。*非伝導性心房期外収縮の異所性P波を見落とし、RR間隔が急に延長した部分を「洞房ブロック」と誤診することがある。*WPW症候群のデルタ波を見落とすと、「脚ブロック」や「心筋梗塞」と誤診することがある。*ペーシングスパイクを見落とし、「ペーシングリズム」を心筋梗塞、心室期外収縮、心室頻拍、極端な軸偏位などと誤診することも少なくない。読み落としによる誤診

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