臨床心電図解析の実際 ― 不適切自動診断編
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V1V2V3V4V5②③①ⅠⅡⅢV6aVRaVLaVF16自覚症状に加え、V1~V4誘導における①QSパターン()、②軽度のST上昇()、③V3~V5誘導の陰性T波()から、「亜急性前壁心筋梗塞」であることは容易に診断できる。しかし自動診断では、Ⅱ誘導やV5誘導などに見られる緩徐なQRS立ち上がり()を読み過ぎてデルタ波と判断したため、「WPW症候群」の診断が先行し、心筋梗塞を反映する重要所見がすべてマスクされてしまったと考えられる。このような自動診断の不備や誤診による治療の遅れを防止するためには、臨床的意義や重症度を加味した、より臨床現場に即した実戦的診断プロセスの構築が急務である。読み過ぎ-6 Answer

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